昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2022/06/18

――それ以降、お母さまへの考え方も変わったと。

グラハム子 母がいたからできなかったこともたくさんあるけど、母がいたからできたことだってたくさんあるんですよね。母との過去があったから『親に整形させられた私が母になる』を出版できて、こうやって取材をしていただけているわけですし(笑)。

 書籍の最後に「母との思い出は、もう私を傷つける害あるものではなく、私自身を構成する一部分になりました」と書いていますが、今は本当にそういう気持ちです。“いびつ”だったけど、それが母なりの愛情の注ぎ方だったのかなと。

 そして、許せない感情も感謝の気持ちもすべて私の一部で、どちらも今の私を構成する魅力のひとつだと思っています。

©深野未季/文藝春秋

自分の子どもに価値観を押し付けないためには?

――グラハム子さんは現在、2人のお子さんを育てています。ご自身が親になった今、母子の関係について思うことはありますか?

グラハム子 私が母からされて一番つらかったことが“価値観の押し付け”だったから、「子どもたちには私の価値観を押し付けるようなことはしたくない!」と強く思っています。

――価値観を押し付けないよう、具体的に気をつけていることは何でしょう。

グラハム子 子どもたちとは、大人と話すように接しています。大人と話しているときに、その人の考えが自分の価値観とは違っても、それを否定する人は少ないと思うんですよ。でも、それが子ども相手だと突然“否定するハードル”が下がってしまう。

©深野未季/文藝春秋

 ほかにも、子どもが飲み物をこぼしたときは「またこぼして!」とか「よそ見ばかりしてるから!」ってつい言っちゃうじゃないですか。でも、大人が同じことをしても「拭いておいてね」で終わるんですよね。

 だから子どもに対して何か物申したくなったとき、まずは「これ、相手が大人のときはどう言うかな?」と考えるようにしています。

z