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「『鳴いたほうがいいのかな?』と思うことはもちろんあります。でも…」“強気のヴィーナス”黒沢咲が明かした“高打点”を狙い続けるワケ

『黒沢咲の 鳴かずに勝つ! セレブ麻雀』より #1

2022/06/20
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高打点の作り方

 次に、私がどうやって高打点を狙っているか、についてお伝えしていきたいと思います。

 私はかつて、配牌を見たときに、そこから考えられる理想の最終形をイメージする訓練をしたことがありました。たまに、私の麻雀は「構想力」が素晴らしいと褒めてくださるプロの方がいますが、それはこの訓練のおかげかもしれません。

 たとえば、配牌と第一ツモを見てタンヤオと“678”の三色を狙えそうだと思ったので、「一筒」のトイツから切っていったことがありました。

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 こういう手のときは、序盤から積極的に自分の意思を見せるようにしています。誰に見せているかというと、視聴者の皆さんにではありません。自分の手牌に対して、「この道で行くよ」と明確な意思表示をしているようなイメージです。

 もちろん無難な牌から切って、ツモに合わせて最速テンパイを目指すのが悪いとは思いませんし、場面によってはそれも必要だと思います。

 それでも、意志を込めた選択は、私が最もこだわっている部分です。

「未練を断ち切る」

「退路を断つ」

 なかなか難しいことではありますが、大事な場面でこれができる勇気を持ちたいです。

 わかりやすい例をひとつあげてみますね。

 

 たとえば図にあるような牌姿だったら、ピンズのホンイツを狙いたいですよね。でも、「三萬」を引いたら1メンツはできます。テンパイまでの効率だけで考えるなら、孤立している「二索」や「東」を切るべきだと思いますけど、私としては、ここで「三萬」を引いてメンツができても、正直つまらないんです。それで役なしテンパイになってしまうのは嫌なので、先に「二萬」、「四萬」を切っていきます。

 配牌を見てはっきりゴールがイメージできた局は、後々迷いを生みそうな牌は先に切って手をはっきりさせていくようにしていますが、これは私の麻雀の特徴的な部分かもしれませんね。

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