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 Mリーグやプロ連盟のリーグ戦は長い戦いなので、スタイルを崩さずに必ず来るチャンスを待って、勝てるときに大きく勝つというのが私には合っているのかなと思います。それが長年プロをやっていて、たくさんの強い人と打ってきたなかで行き着いた答えでした。

こだわらない部分

 私のこだわりについてここまでお話ししてきましたが、逆に、こだわらない部分もあります。

 たとえば、打ち手のなかには親番をすごく大切にする方も多いですが、私は自分の親番にはこだわりすぎないようにしています。特にMリーグのルールは親じゃなくても高打点を決めるチャンスがあるので、「なにがなんでも親番を続けよう」とは思っていないんです。親だからいつもより押す、親だから普段鳴かない牌も鳴いて早アガリを目指す、これが結構勝負の隙になることが多くて。できるだけ、「親だから」という意識は排除して、親番でも子でも、押し引きの判断基準が変わらないように心がけています。

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 また、ノーテン罰符や供託などへのこだわりも、ほかのプロと比べると低いと思います。前原さんなんかも、「ノーテン罰符で勝負が決まることはほとんどない」とおっしゃっていますが、私も同じ考えで、もらえたらラッキーくらいの気持ちです。さっきの親番の話と同じなんですが、供託がたくさんあるから普段鳴かない牌を鳴くとか、リーチする手をダマにするとか、バランスが崩れるようなことはしたくないんです。引き出しの多い人は、いろいろな技を使いながらこぞって取りに行くので、白鳥選手がいる卓なんかで供託をめぐる熱い戦いが繰り広げられると、見ていてすごく面白いですけどね。

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