1ページ目から読む
4/5ページ目

うまくいかないときの割り切り

 私の麻雀は、うまくいくときは高打点が決まって気持ちがいいんですけど、もちろん思ったとおりにいかないこともたくさんあります。昔はそれで焦ったりイライラしたりしちゃうこともありましたが、最近になってようやく、うまく割り切れるようになってきました。

 麻雀は4人でやるゲームですから、基本的に勝つのはひとりで、あとの3人は悔しい思いをしているわけですよね。どんなに麻雀が強くても、「勝率ほぼ100%」の打ち手なんていませんし、みんな勝ったり負けたりを繰り返します。

 そういうゲームだからこそ、目先の結果だけにこだわるよりも、勝つにしても負けるにしても、自分のスタイルを追求することが大事なんじゃないかという考えに行き着きました。もちろん打っているときはいつでも勝ちを目指していますし、最後の瞬間まであきらめません。でもそれは、あくまでも自分らしく、こうだと決めた麻雀を打った上でのことです。

ADVERTISEMENT

 負けているときになんとか粘ろうとして、バラバラの手牌から鳴いて無理にテンパイを取りに行ったこともたくさんありました。でも私の場合、そういうことをしてみても、ほとんどうまくいかずに終わってしまうんです。自分を曲げて、ただガムシャラにテンパイを取りに行って、結局負けてしまう。そんなときに決まって思うのは、「だったら自分らしく打って、潔く負けたほうがよかった」ということでした。もし成功体験があれば違ったんでしょうけれど、私の場合は失敗ばかりでしたから。

 そんな打ち方をしていると、参加率やアガリ率はどうしても低くなります。Mリーグでも2戦連続で「リーチゼロ、副露ゼロ、放銃ゼロ、アガリゼロ」とオールゼロの珍ゲームスタッツを叩き出したことがありました。以前だったら、「やる気あるのか!」と叩かれていたかもしれませんが、最近はそういうのを、皆さんが「黒沢さんらしい」と面白がってくれるようになりました。なんだか、皆さんの感覚も、ちょっと麻痺してきているのかもと思っています(笑)。