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〈本人解説〉「あとで後悔してしまうような一打はしたくない…」実戦譜で振り返る“勝負師” 黒沢咲の“リーチについての思考”とは

『黒沢咲の 鳴かずに勝つ! セレブ麻雀』より #2

2022/06/20
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手変わりはギリギリまで追ってみよう(2021年10月5日 第2試合 南三局)

 麻雀において、リーチはとても強い役です。そして、リーチは手役やドラと絡めることで、その威力がさらにパワーアップします。手が高くなる可能性があるなら、安易にリーチをかけずにさらなる手変わりを追ってみてもいいかもしれません。

 

 これは、南三局で全員が2万点台の接戦だった場面です。私は11巡目にピンフのみ、「二筒」・「五筒」待ちでテンパイしたのですが、リーチはしませんでした。ダマテンで1000点を拾いに行ったわけではなく、私としてはこの手をもっと高く仕上げたかったんです。ほしかったのは「四萬」! 高目タンピン三色、一牌変わるだけで3翻もパワーアップするんですから!

 実際には、ここですぐに「二筒」が打たれて1000点を出アガリするんですけど、もしここで「二筒」を引いたらツモアガリしないで、「一萬」を切ってフリテン3メンチャンでリーチをかけようと思っていました。いくらリャンメン待ちとはいえ、1000点の手を2000点にするリーチは私のなかで手牌に蓋をしてしまうリーチで、この接戦の場面でも全然決定打にならないですよね。一手変わって満貫や跳満をアガることができれば、トップがグンと近づきます。

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 私は、ピンフのみの手はMリーグのルールでも一発裏なしのルールでも、結構ダマテンにすることが多いです。Mリーグルールの場合はリーチがセオリーという風潮が強いと思いますけど、その手にまだ高く変化する可能性があるならば、私はギリギリまで手変わりを待ちたいと思っています。

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