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黄金と白銀色の中間ともいえる絶妙な輝きをまとった魚体、そして黄色く染まった鰭や黄斑が美しすぎる。また呼吸をするかのように噛み続ける様子に強い生命力を感じた。たった1年で命を燃やすからこそ、鮎の表情には力強さが滲み出ていた。
鮎はキュウリウオ科に属し、スイカの香りがするとも言われる。実際に釣れた鮎を嗅いでみると、確かに魚臭さはなく、さわやかな胡瓜っぽさを感じた。
いつまでも見ていたいのだが、遊漁規則で釣行時間も日没までと限りがあるので引き続き瀬肩でキャスト。またしても竿を持って行くほどの強いアタリが出た。
身切れを恐れながら下流に移動し、テンションを軽く張りながら岸に寄せた。
同じく美しい魚体であった。
この日は初めてにもかかわらず2匹釣ることができた。鮎釣りの釣果としてはイマイチかもしれないが、初めてチャレンジしたアユイングで鮎の生命力を肌で感じることができた幸福感は大きい。
翌日も夕方にエントリーしたところ、さらに2匹釣ることができた。6月のシーズン初期で鮎がいる場所が限られているのか、数釣りはできなかったもののアユイングで手軽に鮎を釣ることができた。
天然の鮎を食べてみた
実は今回の釣行時には、同じく伝統的な釣法である「コロガシ釣り」と投網も行っていた。
両方とも鮎を捕獲できるまでは練習してるので、追加分も合わせて塩焼きと天ぷらでいただいた。
身はとにかく軟らかくてフワフワ! 繊維が細かいので、焼いてもまったく硬くならない。また意外にも脂の乗りが良く、それでいてクセのない旨味と鮮烈な香りが一気に口に広がる。鮎が香魚と言われる理由は、ここにあるのではないか。