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 とても「淡泊」とは形容できない強烈な個性を感じることができた。個人的には川魚で一、二を争う美味しさであった。

鮎の天ぷら

 天ぷらもサクサクの衣と対照的な身の柔らかさが良い。肉厚な身は食べ応えがあり数匹でも満足できた。ついにこんなに美味しい鮎がお手軽に釣れる時代がきた……。夏が楽しみでしかない!

塩焼きは手が止まらない…

メーカーの努力と漁協の寛容さが鮎釣りの裾野を広げる

 鮎のルアー釣り自体、最近始まった釣りではない。2012年から「カツイチ」というメーカーが、当時は斬新だったルアーフィッシングで鮎を釣るコンセプトで製品を世に出している(オトリアユの代わりとなるルアーはさらに昔からあったという)。

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「お手軽な釣法で多くの釣り人に鮎釣りの魅力を知ってもらいたい」というメーカーの思いが現在のアユイングに繋がっている。さらに障壁の高さや釣り師の高齢化による鮎釣り人口の減少を食い止めるべく、アユイングを認可した漁協が増えていることも普及に貢献している。

都会を流れる多摩川にも、多くの天然鮎が遡上している

 またアユイングは経験した方の一部が友釣りを始めるデータもあることから、鮎釣りの裾野を広げる役割もある。遊漁券購入者が増えることで釣り場が整備され、鮎の放流も盛んになれば我々釣り人にも還元される。今後のアユイングの発展が期待される。

鮎釣り(河川での釣り)における注意点

(1)遊漁券の購入と遊漁規則の確認
 ほとんどの河川での鮎釣りには遊漁券が必要になる。また現在アユイング(鮎のルアー釣り)ができる河川は限られているため、漁協への確認もお願いしたい。内水面遊漁規則の他、河川の区間毎でもルールが変わるので、釣りをするポイントの管轄漁協へ確認する必要がある(※多摩川では内共12号でのアユイングは可能だが、奥多摩周辺の内共1号は不可等の決まりがある)。

(2)先行者との距離感を確認する
 アユイングはある程度入水して釣りをする必要があるため、魚を散らしてしまう恐れがある。先行者との距離感を確認するためにも、釣り場での挨拶等のコミュニケーションを心がけよう。トラブルを回避する手段としても念頭に置いてもらいたい。

(3)救命胴衣の着用
 浅い河川でも流れが強く、特に荒い瀬に流されると複雑な流れで岸に戻れない可能性がある。川遊び感覚でも釣りをする以上、自己責任ではすまされないので救命胴衣を着用しよう。

誰でも手軽に鮎釣りが楽しめる

 以上、ルールを守って安全に釣りを楽しみましょう!

写真=ぬこまた釣査団(大西)