——では、新幹線を楽しむポイントはどこでしょう。
峯岸 富士山ですね。「富士山、いつぐらいに見られますか?」と聞いてくださるお客さまが多いので、事前にしっかりチェックして、「○時○分ごろに新富士駅を通過するので、そのあたりでこちらがわの窓から見えますよ」って。きれいに見えるとやっぱり喜ばれますし、私たちも富士山はテンション上がっちゃいます。
甫立 私たちは立って通路を歩いているので、客室の窓からは目線的になかなかよく見えないんですよね。でも余裕があるときはお客さまが富士山を見て写真を撮っていらっしゃるところに「今日はきれいですね、ラッキーですね!」と一緒に盛り上がることもあります。やっぱり、何度見ても新幹線からの富士山、いいものなんですよね。
「私たちもお客さまもマスクをしているじゃないですか。だから…」
——乗客数も回復傾向にあるとはいえ、まだまだコロナ禍が続いています。
甫立 ワゴンには東海道新幹線のグッズも載せているのですが、以前はご家族連れで旅行のお客さまに買っていただくことが多かったんです。でも、最近は新幹線に乗る機会が減っているからなのか、ビジネスで乗っているだろうお客さまが、子どもへのお土産とか記念に、みたいな感じでグッズを買われることが増えていると思います。ビジネスであれ、旅行であれ、「新幹線に乗る」という機会がイベントのようになっているのかな、と……。
峯岸 私は入社したときからずっとなのですが、今は私たちもお客さまもマスクをしているじゃないですか。だから、アイコンタクトは意識しています。ひとりひとりのお客さまの目を見て、呼び止めにくい人もいるかもしれないので、こちらから「何かお探しですか?」って自分からお声がけしたり。
甫立 車内で「すいません!」って声を出して呼び止めるのはしづらいという人もいらっしゃるでしょうし。だから手をあげていただいてもいいですし、アイコンタクトでもできるだけうかがえるように頑張っています。
峯岸 私はよく口で笑っているけど目が笑っていないって言われていて、でもマスクをしているからそれじゃダメなので、意識して目で笑うようにしています。
甫立 “目元をニコニコ”はたしかに意識しますね。口元が見えないだけで、表情で伝えられることがグッと減るんですよ。
——コロナ禍以降、新幹線の中はどうしても静かな空間というイメージが強くなっています。なのでなかなかパーサーさんにも声をかけにくいという人もいるかもしれません。
峯岸 声をかけたら迷惑かなとか思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちとしては遠慮なく声をかけてほしいです。
甫立 ワゴンに何があるかわからなくても、結果的に買わなくても大丈夫ですから、気軽に声をかけてください。50種類ぐらいの商品があるので、気になるものが見つかると思いますよ。もっと新幹線で過ごす時間を楽しんで頂けるように、私たちも力になれたらいいなと思いつつ、頑張っています。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。