甫立 ふだんは朝早い列車だと平均してコーヒーがよく売れますね。
峯岸 私の印象だと、グリーン車にご乗車されているお客さまは乗り慣れている方が多いなというイメージがあって。そういう方はワゴンの商品とかも分かっていて、コーヒーチケットを持っている率も高いかなと思います。
——コーヒーチケットというのは……
甫立 4枚綴りで1000円、つまりだいたい3杯分の値段で4杯飲めるので、実質1杯無料ですよ、というチケットですね。グリーン車のお客さまはそれをすでに持たれていて、1枚にちぎった状態で、「コーヒーちょうだい」みたいにおっしゃる方も少なくないです。
会社のキャンペーン上位に食い込む甫立さんの秘密は…
峯岸 今年のGWでいうとピスタチオのアイスが再販されたのですが、そういうのがあると“珍しい”と買ってくださる方もいらっしゃいますね。
甫立 ピスタチオのアイス、食べたことあります? あれ、クラッシュされたピスタチオが入ってて、私も大好きなんです。味だけでなくて食感も楽しめるアイスクリームって今までにないって感じで。
峯岸 甫立さんはよく自分で買って食べてますね(笑)。
甫立 プライベートでもよく新幹線に乗って旅行するんですけど、そのときにはいろいろ買います。駅弁も絶対2個買うって決めていて、ひとつは崎陽軒のシウマイ弁当と、あともうひとつ何か、みたいに。ただ、同僚に見られるとちょっと恥ずかしいので、パーサーがひとりしか乗っていない「こだま」にあえて乗ったりして……(笑)。ピスタチオのアイスも3、4回は食べました。
——アイスもそうですが、食べ物や飲み物はやっぱり口にしておくことでセールストークにも生きてきますか?
甫立 個人的におすすめするときには自分の言葉で伝えたいと思っていて。
峯岸 先輩はシニアパーサーなので販売は基本的にしないんですけど、それでも会社のキャンペーンのときには必ず月ごとのランキングの上位に入ってくるんです。そもそも売る機会が少ないのに本当にスゴい。
——それはコツとかがあるんですか。後輩にも言えないような、ヒミツの……。
甫立 いやいや、ぜんぜん言えるんですけど(笑)、細かいことがいっぱいありすぎて。私は自分が売るというスタンスよりも、お客さまが欲しいものがワゴンの中にもしあるのであれば、ゆっくり見てください、一緒に探しましょうという感じなんです。
峯岸 商品のこともよく知っておかないとなかなかそれはできないですよね。
甫立 ピスタチオのアイスも、「ピスタチオって豆ですか?」とかお客さまに聞かれるので、そのときに食べているのといないのとでは説明も違ってきますから。まあ、ただアイスが大好き、というのもあるんですけど……。