――生放送ならではですね。さらに、国生さゆりさんのバックコーラスもされていらっしゃいましたね。
渡辺:さゆりちゃんの『バレンタイン・キッス』ですね。コーラスも初めてだったんですが、やっぱり毎日が忙しくて。「レコーディングをしたな」、という記憶はあるんですけど、どんな風に歌ったとか覚えてないんですよ……。記憶が飛んでしまっているんです。とにかく、敷かれたレールの上を落ちないように歩くのが精一杯でした。
おニャン子のルールは「学校にちゃんと行くこと」
――アイドルとして常に脚光を浴びていく中、渡辺さんは、秋元康さんから「一点の汚れもない正統派のアイドル」とも評されたそうですが、ご自身ではどう思いますか?
渡辺:逆にどう思います……? そうおっしゃってくださってるのは、風のうわさで聞いたことあったんですが。確かに危なっかしかったのかな(笑)。
――ところで、おニャン子クラブのメンバーはたくさんいらっしゃいましたが、おニャン子クラブの「決まり事」のようなものがあったんでしょうか。
渡辺:おニャン子のルールは、「学校にちゃんと行くこと」だったんです。テストの結果も赤点はダメ。上位何番以内に入らないとテレビに出させてもらえない。だから、制作部に行ってスタッフさんに勉強を教えてもらったり、東大卒のスタッフさんにも「勉強教えてください!」ってお願いしたり。テスト期間中は生放送のお休みをもらえたので、フジテレビに行って、スタッフの方に家庭教師のように別室で教わったこともありました。
点滴を打ってステージに…過酷すぎるスケジュール
――仕事に学校にハードな日々を過ごされて、ストレスを感じることはなかったですか?
渡辺:それが、あの頃は大変だとは思わなかったんですよ。仕事が忙しくても、それで苦労したとか、何かを我慢したとか、これといったストレスも特に感じなかったなぁ。たぶん、周りのスタッフさんたちが、ストレスがないようにすごく気を遣ってくださったんだと思います。