タレントの中居正広がきょう8月18日、50歳の誕生日を迎えた。2016年に解散したSMAPのリーダーであり、メンバー中最年長(同い年の木村拓哉より誕生日が3ヵ月早い)だった彼は当然ながらいち早く50代に入った。さほど熱心なファンでなくとも、多少なりとも感慨を抱く人は同年代を中心に多いのではないか。
中居といえば、先月、MCを務めたNHKの番組『笑いの正体』で、往年の人気バラエティ『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)について自らの出演経験から「一言一句台本だった」と発言し、ネットを中心にちょっとした物議を醸したのが記憶に新しい。これを受けて中居も、その後、自身のラジオ番組で「一言一句」というのは極端な表現だったと認め、出演者どうしのリアルなやりとりまでが台本どおりだったかのように思わせてしまったことを謝罪している(ニッポン放送『中居正広 ON & ON AIR』2022年7月16日放送分)。
このとき彼が語ったところでは、22歳ぐらいで『めちゃイケ』に初出演したとき、周囲は全員お笑いのプロというなか、素人の中居のためにみんなが笑いのノウハウを色々と教えてくれたという。NHKの番組で「台本」と言っていたのも、当時より何かにつけてメモする習慣があった彼は教わったことをノートに書き留め、さらにそれをスタッフが整理してくれ……というのを繰り返しているうちに自ずと台本ができあがった、ということらしい。
本番前には台本が真っ赤になっている
いずれにせよ、『めちゃイケ』のチームがいかに笑いのため情熱を注ぎ、ゲストである中居に対しても丁寧に接しながらも一定のレベルを要求していたかがよくわかった。それと同時に、周囲の期待に応えようと中居が努力するさまもうかがえた。ラジオで語っていたとおり、メモは彼が昔から欠かさず続けてきたことである。普段からテレビを見ていても、自分が使わないような言葉が出てきたりすると、ボキャブラリーを増やそうという気持ちもあって、メモする習慣がついているという(『ザテレビジョン』2018年2月9日号)。
MCを務めるにあたっても事前に入念な準備を怠らない。音楽番組であれば、出演するアーティストの楽曲はすべて聴き、詞も熟読して、自分の感じたことをメモしておく。台本もなるべく自分の言葉にしておきたいので、事前にもらえる場合は必ずチェックし、思いついたことを余白にメモしていく。リハーサルではさらに赤ペンで書き込み、本番前にはほとんど真っ赤になっているとか。そこまでやるのは、本番でバタバタするのがいやだからだという(『THE21』2008年12月号、『月刊ザテレビジョン』2011年8月号)。