高校生でゲイバーに出入りするなんて、なかなかに物おじせず、行動的な性格が透けて見えるが、そんな彼女が遊び場を二丁目のゲイバーからホストクラブに鞍替えしたのはTinderで出会ったホストがキッカケだったという。
「今から4年くらい前だけど、マッチングアプリをよく使っていて。そのときにマッチングした人がホストだったんです。連絡先を交換することもなかったけど、アプリ内でのメッセージのやりとりはすごく丁寧で、わたしがホストに興味ないと伝えた上で『枕営業するのか?』とかの質問をしても、ちゃんと答えてくれるいい人でした。いつか彼が働いている姿を見たいと思いながらも、なんとなく2年温めてしまって、いざ行こうと思ったら辞めてしまっていて」
「来てくれないなら、自殺するかも」
その頃、ちょうど興味のある展覧会が大阪の美術館で開催された。それを観るために大阪へと旅行した際、せっかくの機会であることと、旅の解放感も手伝って、そのホストが働いていた系列店の初回へと足を運んでみたという。
「楽しかったけど、不思議な世界だなって思って興味が湧いて。そのすぐあとに、腎盂炎を患って入院することになったんだけど、入院中って暇じゃないですか。だからホストクラブについて猛勉強を始めたんですよね。YouTubeを見たり、ホストのTwitterをチェックしたりなんですけども。ホストクラブ用語とか、初回の客はどう扱われるのかとか」
そこには、これまで知らなかった世界が広がっていた。知識を仕入れたことで、ますますホスクラへの興味が高まったところで、再びTinderでホストとマッチングし、歌舞伎町で食事をすることになったという。
「そのホストと居酒屋で一杯、飲んだところで、店においでよって誘われて。わたしが苦手なオラオラ系のマッチョな男性だったし、お金もないし……
その頃には、ホスクラの初回って1000円とかで飲めるって知っていたから、わざわざその男性のお店に行くこともないので『嫌です』って断ったら、『来てくれないなら、自殺するかも』って。初めて会った人にそんなこと言われてびっくりして。断ったあとに、歌舞伎町をウロウロしていたところを外販に声掛けられて、まったく別の店の初回に行った。それが歌舞伎町のホスクラデビューです」