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お年玉が少なくても文句は言わない

不動 お小遣いはなかったので、定期収入はお年玉くらいだよね。でも、そのお年玉も普通の家の10分の1の額なので。このお金をみんなで分けてねとか。でも、もらう側もわきまえているので、少なくても文句は言わなかったです。10人もいると親戚も大変ですから。

 多分、贅沢という贅沢はしてないんですけど、親が工夫してくれたおかげで不自由な思いは一切しなかったです。イベントごとは全力で準備してくれましたし、毎月お父さんかお母さんを独り占めできる日を作ってくれていたので。

ーー岸家には、自分が生まれた日にお父さんかお母さんを独り占めできるという制度があるそうですね。

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大我 そうです。毎月、お母さんかお父さんのどちらかを選んで、やりたいことを一緒にやっていました。お父さんと釣りにでかけたり、お母さんとファミレスでパフェを食べたり。

月に一度の「子どもが親を一人占めできる日」での三女・種恵ちゃんと信子さん © 2022 KKT 熊本県民テレビ

日向 それ、すごく嬉しかったよね。毎月、その日を楽しみにして、今月は何をやろうかなって考えたり。兄弟が多い分、両親は一人一人と向き合う時間を大切にしてくれましたね。だからこそ10人もいたけど、寂しい思いをしなかったのかなと思います。

ーーちなみに大家族ならではのルールとかってあったんでしょうか。

不動 ありました。リビングで何か食べるときは分け合うとかね。

日向 あとは取られたくない食べ物には自分の名前を書くとか。歯ブラシは、色やメーカーが被らないように買うとか。

大我 大家族らしいルールはそのくらいですかね。他には「バカ」という言葉は使っちゃいけないとかもありました。下品な言葉を使うと、父に呼ばれて怒られましたね。

不動 だからよく反抗期の息子がお母さんに、「うるせぇばばあ」とか言うって聞きますけど、うちではほとんどなかったと思います。そんな暴言、絶対に言わないです(笑)。

 あとは僕たちのルールではないですけど、父は母に毎日3回「愛している」と言っていました。今でもお互いを名前で呼び合うほど、両親の仲が良いんですけど、それは子どもにとってすごく良いことだと思います。

大我 僕たちの前では夫婦喧嘩はしなかったよね。そこは気をつけてくれていた部分だと思います。

お母さんとお父さんに囲まれる七男の不動さん 

 あとはお母さんはいつもニコニコしているんですけど、怒るときは怒るんです。でも感情的に怒るわけではなく、理路整然と何がダメだったかを話してくれます。

日向 それに学校の行事は必ず来てくれてたよね。今思うと、どんだけ大変だったんだって思うけど、授業参観も1人15分ずつ全員の教室に来てくれたり。運動会や文化祭も必ず見に来てくれた。それはすごく嬉しかったですね。僕たちのことをちゃんと見てくれてるんだって。

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