茨城県在住の11人大家族・石田さんチに密着した『7男2女11人の大家族石田さんチ!』(日本テレビ系)は、今年で放送から25年を迎えた。殴り合いの兄弟げんかや、反抗期の息子と母の壮絶なバトル、そしてお母さんとお父さんの夫婦漫才のようなやりとりなど、リアルすぎる家族の日常に心を掴まれた人も多いだろう。
今回、『石田さんチ』のプロデューサーである澤本文明(54)さんに、大家族番組を続ける難しさについて話を聞いた。(全2回の1回目/続きを読む)
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「ここは撮るなよ」と子どもたちから取材拒否
――澤本さんは現在プロデューサー兼総合演出家として『石田さんチ』と関わっていますが、具体的にどんなことをされるのでしょうか。
澤本 今は(石田家の)お父さんやお母さんの講演会の窓口をしたり、ディレクターと取材対象者の潤滑剤というか機嫌取りというか……(笑)。
最初の8年くらいは、ディレクターとして現場で取材していましたが、今は現場のことはほとんど後輩に任せています。
ディレクターだったときは本当に毎日のように顔を合わせていたのが、プロデューサーになった途端、現場に行くことはほとんどなくなって。お母さんと一緒にYouTubeを始めたのも、会いに行くための口実になるからなんです(笑)。だいたい、寂しくなるとYouTubeの撮影に行くんですよ。で、「澤本くん暇つぶしに来てんじゃないわよ」なんて言われて。
――立場は変わっても、25年間同じ取材対象と関わり続けることはあまりないですよね。関係性は変化しましたか?
澤本 石田家との関わり方はずっと変わりません。取材開始当初、お母さんから「あなたも一緒に子育てするんだよ」と言われたんです。それなら取材を受けると。それからは僕たちも一緒に子育てをしているという意識でやってきました。さすがにもう子どもたちみんな巣立っているので、親戚のおじさんのような関係ですが。
お互いになんでも言い合うし、身内には言いにくいことを相談されることもあったり。子どもたちが思春期のころは「ここは撮るなよ」って、カメラを拒否されることもありました。
――『石田さんチ』の取材を続ける中で、気をつけてきたことは何かありますか。