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「ドラフトでは加藤に手を出すな」と囲い込んでいる?

 加藤は両親に日本人を持ち、米国で生まれ育った。サンディエゴの高校時代の13年、MLBのドラフト会議で2巡目、全体66位でヤンキースから指名を受けた。憧れはイチローで、代理人を同じジョン・ボッグスに選定した。大谷翔平(エンゼルス)とは同学年だ。ヤンキースを皮切りにマイナーを転々とし、プロ10年目の今季、MLBドラフトを経て入団した日本選手としては史上初のメジャーデビューを、ブルージェイズで果たした。

 座右の銘は『Late Bloomer(大器晩成)』。遅咲きで構わないとはいえ、今年の日本のドラフト会議時には28歳。晩成へのタイムリミットは近い。

 NPB入りなら日本ハムになるのか。元在京セ・リーグ球団スカウトがこう分析する。

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「隠し球のような選手の指名は情報管理を徹底するもの。日ハムが事前にここまでメディアに加藤のことに言及するのは不自然。獲得を検討している他球団が指名しないよう、けん制したのではないか。新庄監督と稲葉GMのやり取りを通して『ドラフトでは加藤に手を出すな』と囲い込んでいるようにも見える。即戦力なのに契約金、年俸が高額にならなそうなのは日ハムの編成方針に合う。来季は新球場オープンの年で、集客につながる話題の選手は一人でも多い方がいいという事情も関係しているのではないか」

新庄剛志日ハム監督も興味津々!? ©文藝春秋

 では、日ハム以外に加藤を獲得しようと動きそうな「他球団」とは一体どこか。元スカウトが続ける。

「巨人と阪神の動向が気になる。巨人は坂本(勇人)の衰えが顕著で、来季は遊撃の定位置の保証はない。内野ならどこでも守れる加藤は補強ポイントに合致する。阪神は内野では二塁だけが固定できず、8月にはキャンプでも練習していなかった佐藤(輝明)が入ることさえあった。両球団の指名があっても驚かない」

 特に巨人は今季、低迷を打破しようと、2年ぶりにFA補強に乗り出すことが必至の情勢だ。内野手は浅村栄斗(楽天)や外崎修汰(西武)と候補はいるものの去就は不透明。何よりチームは投手強化が最優先課題で、最大2枠しか使えないFA補強だけでは足りない。