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ドラム志望だったTERUにTAKUROが…

 TERUはもともとドラム志望だったそうではないか。TAKUROが歌を聞いてボーカルをすすめたというが、そりゃそうだろう……! TAKUROがすすめなければ彼はドラムでバリバリ活躍したのだろうか。その世界線も見てみたいが、多分J-POPの歴史は変わっているだろう。

 ライブの2時間半はまさにピーク果てしなく、ソウル限りない勢いで、あっという間に過ぎた。

「もうあんな人気者なのに、ずっと努力してるんだろうな。コロナ前に参戦したライブよりすごかった」

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 共に参戦した筋金入りのGLAYERの感想だ。シンプルだけど本当にその通り、コロナ禍という試練に、彼らがどう向き合ってきたかが分かる圧巻のライブだった。

HISASHI ©岡田裕介

 初披露された曲も何曲かあり、印象的だったのが「WE♡HAPPY SWING」。これは、敢えて「合いの手」を入れられる構成となっている。「この歌で思いきりコールレスポンスができる日が来るように」という願いが込められているそうだ。

 声が出せない今は代わりにクラップし、心で歌おう――。あえて制限がなくなる未来への「お楽しみ」を作ってくるのが本当に彼ららしい。

 コロナ禍で黄色い声援を送れなくなって約3年。掛け声無し、マスクで顔も見えない観客席。ライブの一番の醍醐味である「一体感」を味わうのが本当に難しい。しかし、だからこそ様々なアーティストが、気持ちをつなぐため新たな曲を生みだしている。「WE♡HAPPY SWING」然り、この時代、模索から生まれた試みや曲たちは、「心のコール&レスポンス」の証のようなものである。

TAKURO ©岡田裕介

 2023年3月より、7年ぶりとなる「HIGHCOMMUNICATIONS TOUR」の開催が決定したGLAY。そのときには少しでも「お楽しみ」が実現できる状態になっていれば、と願わずにいられない。

 そしてもう一つ初披露された曲が「クロムノワール」。すでにWBS ワールドビジネスサテライトのエンディングテーマとして使用されている。

 冒頭に書いたTAKUROの言葉は、2022年8月16日に放送されたWBSのインタビューのものだ。彼はこんなことも言っている。

「音楽で戦車は止められないし、権力者の考えを変えることはできない。でも100年後、200年後にメッセージとして残るかもしれない。ひとりひとり賛同者が増えて(つらいことを)減らすことはできるかもしれない」