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検査を受けないと、QRコードが赤色になり生活できない

――もはやロックダウンというより、戦時中の戒厳令です。食べ物だけじゃなく、メンタル面もきつかったと思います。

高木 ロックダウンは8週間続きましたが、3週目から5週目ぐらいが精神的に一番きつかったですね。しかも、ロックダウンが解除される前も解除された後もそうなんですが、中国では市民がPCR検査をほぼ毎日受けなくちゃいけないんです。

マンション内に設置されたPCR検査会場。(高木さん提供)

 検査を受けて陰性だと携帯のQRコードが緑色になって買い物ができるんですが、受けていないとQRコードが赤色になって、どの店や施設にも入ることができなくなる。中国はキャッシュレス決済などのIT分野では日本と比べ物にならないくらい先進的で、政府がQRコードを使って国民を管理しているんです。

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――それほどIT分野では進んでいるのに、食品の衛生管理などでは信じられないほど遅れているのが中国の面白い点です。

高木 そうですね。たしかに中国政府のやり方はメチャクチャですし、中国人もいい加減な人が多いんですが、彼らはとにかく陽気です。ロックダウン中もバカみたいに明るいんですよ。

 だから、ロックダウン解除後に久しぶりに日本に帰ってきたら、街や電車内のピリピリした雰囲気に驚きました。みんなきちんとマスクをして、電車内でも気味が悪いほどシーンとしていて……。その点に関しては中国が懐かしくなりましたね。

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 民主主義国家のロックダウンとはあまりにもかけ離れた上海のロックダウン──。習近平国家主席のゼロコロナ政策が続く以上は、今後も中国各地で同じような目に遭う住民が増えそうだ。

※2022/10/11 20:10……一部表現を修正しました。