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「次の相棒を誰にするかという話になるんだけど、僕の中ではずっと、この番組が終わる頃には亀山がもう一回来るぞ、というイメージがあったんですよ。(中略)だから、相棒は4代目までで、5代目はいらないと思っていました」

片手に紅茶を持つ英国紳士風の水谷(テレビ朝日、番組Twitterより)

水谷中心主義の現場で受け継がれる「水谷さんマニュアル」

 こうして14年越しの雪解けを迎え、再び同じ舞台に立つことになった水谷と寺脇。しかし、長年座長を務めてきたとはいえ、主演俳優自らがキャスティングに関わり、オファーを告げるのは珍しいことだろう。その背景には、シーズンを重ねてもなお受け継がれる「水谷中心主義」があるという。東映関係者が続ける。

「水谷さんには『相棒』シリーズをここまで引っ張ってきたという自負があります。それだけに、座長としての意識がとても高い。制作サイドも水谷さんの意向を何より重要視しています。そのため、『相棒』には特有のルールが多い。例えば、キャスティングや台本はもちろん、広告周りのことに関しても、まず水谷さんの了解を得てから、他の関係者に了承を取る流れが徹底されています。また、クランクイン、クランクアップの時や番宣などでテレ朝に水谷さんが来る時はドラマ関係者総出で出迎えることになっています」

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2代目相棒を務めた及川光博(左)と3代目の成宮寛貴

 7月20日のポスター撮影の日も、関係者20人ほどがずらりと並んでいたという。

「実は、歴代の『相棒』に関わるテレ朝と東映のスタッフには、こうした独特のルールをまとめた『水谷さんマニュアル』が受け継がれています。現場スタッフはもちろん、広報などの裏方も全員が目を通さなくてはならない。仕事上の引継ぎもあれば、中には『水谷さんは甘いものは好まない』といった細かなことまで書かれている。『紅茶よりコーヒーを好む』という項目もありました。右京といえば紅茶を注ぐ姿があまりにも有名です。彼が“紅茶好きの英国紳士”を思わせるキャラクターになったのは、水谷さんが提案したからだと聞いていたので、本当はコーヒー好きというのは意外でした」(同前)