レンコンは角切りにして揚げたもので食感がとてもいい。ごぼうはからっと揚がっていて香りがよい。〆に「冷し春菊天そば」(430円)をお願いした。春菊の香りが素晴らしい一品だった。
気取らない味が人気の秘訣
「うちはクルマで来てくれるお客さんがほとんどで、あとは地元の古くからのオジサンたちね。昔は第二東名はなかったので、もっと人気が少ないところで、トラックの人がよく使ってくれていたのよ。でも最近は遠くからも来てくれる常連さんが増えてきて嬉しいのよ。気取らない家庭のような味が人気の秘訣かな」と女将さんが教えてくれた。
女将さんは常連さんたちとうまくコミュニケーションをとっている。「そばつゆが少なくなったら追加するからね」「カレーのルーが足りなければ言ってちょうだいね」「今日はこの天ぷらがおすすめよ」「ビール飲むならそばは後で出すね」などなど。本当に家庭の食卓のような雰囲気に包まれる。こうした思いやりにひかれて常連客が集まってきていることがよく理解できた。
クルマ社会のいま、こうした止まり木のような気取りのないぽつんと一軒そば屋の良店が元気に営業を続けていることにすごく新鮮な安堵感を覚えた。
8月に来た道を愛甲石田駅に戻っていくと、田んぼの稲穂は収穫の黄金色に染まっていた。遠くに大山と富士山のアタマが少しだけ望めた。今度は「フライ盛合せ定食とそばのセット」とでっかい「おにぎり」を食べに来ようと思う。歩くとちょっと遠いけど。帰る途中、大山道の道標を発見した。
INFORMATION
「そば八」
住所:神奈川県厚木市下津古久328-1
営業時間:月~土 6:00~15:00
日祝 8:00~15:00