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〈『ドラゴン桜』監修者の実話〉成績底辺でいじめられっ子…人生に絶望する16歳の僕を東大に導いた“ある教師”の「とんでもないひと言」

『それでも僕は東大に合格したかった』より #1

2022/10/23
note

西岡はなぜ東大を目指すべきなのか

「まさかあれで、あんなことを言われるとは思わなかったです」

 師匠が「僕が僕を変える方法」として語ったのは、「東大に行け」ということだった。

「だって、東大が一番自分を変えるのに適してるんだもの」

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 師匠は言う。

「勉強は誰にとっても平等なものだ。頭がいいとか悪いとか言うけど、そんなのは微々たるもの。遺伝的な面よりも自分の努力でなんとかなる面の方が大きい」

 ああ、この人は6年前から変わっていないな。カフェで話を聞きながら、そんなことを思う。昔聞いたのと同じ理論だ。

「それにスポーツや音楽と違って、たった1回、入学試験でいい点さえ取れば、誰でも東大に合格できる」

©iStock.com

 たしか、ヨーロッパとかアメリカの入学システムだったら何回も試験を受けなきゃならなかったはず。でも日本なら、試験で1回いい点を取ればいい。

「日本で一番の大学に行く権利を、誰もが平等に持っている。その権利を行使するだけで、ごく簡単に自分を変えられる。夢も希望もない奴でも、夢と希望を持てるようになる」

 夢と希望。自分の意思と、自分の自由。

 日本で一番の大学に行けば、それを得られる。それが師匠が語る、「西岡壱誠が東大に行くべき理由」だった。

それでも僕は東大に合格したかった

それでも僕は東大に合格したかった

西岡 壱誠

新潮社

2022年9月22日 発売

〈『ドラゴン桜』監修者の実話〉成績底辺でいじめられっ子…人生に絶望する16歳の僕を東大に導いた“ある教師”の「とんでもないひと言」

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