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《大阪カラオケパブ刺殺事件》「確かに私は毎日、それなりの量のLINEを送っていました」宮本浩志被告(57)が法廷で繰り広げた50分間にわたる“独演会”の全内容

《大阪カラオケパブ刺殺事件》「確かに私は毎日、それなりの量のLINEを送っていました」宮本浩志被告(57)が法廷で繰り広げた50分間にわたる“独演会”の全内容

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2022/10/19

genre : ニュース, 社会

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 昨年6月11日に大阪府・天満のカラオケパブ「ごまちゃん」で起きた殺人事件の罪に問われている宮本浩志被告(57)。同店のオーナーであった稲田真優子さん(当時25歳)に対して一方的な好意を寄せ、執拗なLINE連絡を繰り返した挙げ句、稲田さんを鋭利な刃物で10箇所以上も刺し、殺害したと見られている。この裁判は、10月12日に論告求刑を迎えた。

 それまで罪状に関して黙秘を続けて来た宮本被告が、人が変わったように饒舌に語りだしたのは、検察が「無期懲役」を求刑した直後のことだった。まず被告人の弁護士が「検察官は宮本さんが犯人であることに間違いないとまでは立証できていないと思われます。したがって、無罪にしなければなりません」と主張した後、証言台に立った宮本被告は「話したいことが5、6点あります」と口を開いた。

亡くなった稲田真優子さんと宮本浩志被告

「確かに私は毎日、それなりの量のLINEを送っていました」

 そして、検察が用意した宮本被告の犯行を裏付ける証拠の数々を否定し始めたのだ。

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「確かに私は毎日、それなりの量のLINEを送っていました。ただ、半年に一度ぐらい『今のペースで送っていいか』と確認しています。その度に、『いいですよ』『別にいいよ』という返事をもらっていました。最後に確認したのは(事件の直前で、宮本被告の誕生日祝いをした)6月7日の食事の時です」

 宮本被告は被害者である稲田さんに対して執拗なLINEメッセージを送り、稲田さんの携帯電話に12件連続の「不在着信」履歴が残ったこともあった。そうした常軌を逸する頻度のメッセージに関して、稲田さんも了承済みだったのだと主張した。

何度も通話をかけてしまうことを「でないから何回もかけてしまう」と弁解する宮本被告 遺族提供

 また、9月16日の初公判では、稲田さんとその交際相手が、宮本被告のことを「ウェザー」と呼んでいたという交際相手の供述調書が読み上げられた。「ウェザー」の隠し名は、宮本被告が毎日のように稲田さんに対してその日の天気予報を連絡してきたことに由来する。

 法廷の場で、自分が「ウェザー」と揶揄されていたことを知った宮本被告は気象情報を送り続けていた理由や、昼食の写真を送っていた理由について言及した。