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「ヤバい教官」はごく一部だが……
もちろん、インタビューを通じて聞かれたのは否定的な声ばかりではなく、「優しい教官が多かったので嫌な思いはほとんどしていない」といった話もしばしば聞かれた。上に挙げた例も、「ほとんどの教官はまともだったが……」と留保を設けたうえで話す回答者が多く、実際のところ「ヤバい教官」はごく一部の存在であることが窺えた。
それでも、現実に横暴な教官や理不尽な教官に出くわしてしまう可能性は否定できない。一度お金を払ってしまえば、途中で解約しようにも全額の回収は困難であり、弱い立場でひたすらハラスメントに耐えるという状況にも陥りかねない。
教習所を選ぶ際には、ネット上のレビューを参考にしたり、指名制度の有無を確認したりといった下調べが必須である。近年では指導の質を向上させるため、車内の様子を撮影できるドライブレコーダーを教習車に導入している教習所もあるので、そうした取り組み内容をチェックするのもいいだろう。
もちろん、「優しい教官=いい教官」とは限らないし、自動車という自他の命に関わる乗り物の操作を学ぶにあたっては、その危険性に見合った緊張感も必要ではあるだろう。しかしその緊張感は、「パワハラ教官の理不尽な指導に耐えること」によってもたらされるものではない。健全な精神状態を保ちつつ、学ぶべきものを学べる環境を選ぶことが重要である。