妻・千鶴さんのおかげで、我慢できた買い物
――千鶴さんのおかげで浪費せずに済んだことは多いですか。
後藤 車なんかはランクを下げました。1400万円くらいするベンツのGLEクーペが欲しくてたまらなくて、ディーラーに行ったら「ローン、通ります」と言われたんです。で、妻にずっと「欲しい、欲しい」と訴えてたんですけど、やんわりした感じで「我が家はそんな高い車は買えないんだよ」という方向へ持っていかれて。
千鶴 「今じゃないんじゃない?」っていう(笑)。
後藤 で、いま乗ってるのはアルファードです。結果的にベンツは買わなくてよかったなって。車に関しては飽きっぽくて1年乗るか乗らないかで換えるので、買ってたらもったいない。
千鶴 お金の使い方で言うと、旅行を取ってくれて、その時にハイブランドの服を2着も買ってくれたことがあったんです。私のためにやってくれたことだからすごく嬉しかったけど、「これ、来月どれぐらいカードの請求来るの?」と聞いちゃって。毎回サプライズでプレゼントされるたびに聞いちゃいますね。
マイホーム購入のために、仕事をかけもちした時期も
――そんなおふたりがこうした素敵な家を建てるまでには、いろいろ難関があったのではないかと。
千鶴 大変でしたけど、建てることに対してはふたりとも賛成でしたね。うちはワンちゃんが多いので、前の家だとね。
後藤 東京に住んでた頃、ワンちゃんに関するクレームがひどくて。近所の方に保健所を呼ばれたりしたこともありました。それでもう東京にはちょっと住めないなと思って、千葉のほうに引っ越して家を建てよう、みたいな話になって。
でも、最初、携帯の料金でローンの審査が引っ掛かっちゃったんです。出所した頃って世の仕組みがわからなかったから、毎月の携帯料金はコンビニで支払うものだと思い込んでて。でも、やっぱり引き落としにしていないと忘れてしまうじゃないですか。それで2ヶ月くらい払い忘れていたのがアウトで、ブラック扱いにされちゃって。
そこから5年はローンが組めない状況で。じゃあ、頑張って働いて頭金も貯めて、審査も通るように年収を上げようと。姉ちゃんの旦那さんがやっている会社に入って夜中まで働いて、もうひとつ仕事を掛け持ちして、という生活を5年。
2時間しか寝られない時期もあったけど、最高で年収900万円になって貯金もできて、労働金庫のローン審査が通ったんです。それで5年前に千葉の八街に土地を買って、4年前の3月に家が完成したので越しました。
写真=三宅史郎/文藝春秋
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