日常とズレた非日常。自分の想像を超える場所。そんな、いい意味で裏切られる場所が好きで、全国の変わった観光地などを巡っている私だが、今まで訪れた中で指折りの場所が石川県小松市のハニベ巌窟院だ。
のどかな田園地帯を走っていると……
まちの中心部から東へ車で20分ほど。のどかな田園地帯を走っていると、小高い山の麓に奇妙な光景が目に飛び込んでくる。田んぼの奥に目をやると、巨大な仏頭の横顔が……。
私は過去2回ここを訪れているが、何度来てもおもしろい。私と似たような珍しい場所の愛好家の間では有名な場所であり、そのインパクトがとにかく映えると近年ますます人気となっているスポットである。
私が当地を訪れた日も朝から数台の車が停まっており、人気のほどが窺える。中を覗くと数組のグループが見学しているようだ。広い駐車場に車を停め、いざ仏頭を目の前にする。やはりデカイ。遠くから見るインパクトは違和感があっておもしろいが、近くで見る圧倒的な存在感とスケールの大きさ、そしておだやかな仏様のご尊顔は、しばらく見惚れて立ち尽くしてしまう。高さは15m。奈良の大仏よりも大きい。しかも頭の部分だけで。
仏頭は世界平和への祈りを込め、鉄筋コンクリートに銅を吹き付けて作られた。一度に全身を作るのは大変だからと、まずは頭だけ作られたのが昭和58年。それから付け足されることはなく今に至る。予定では高さ33mの大仏を建立し、背後にある山の頂上に建てるつもりだそうだ。あくまでも予定だが。
入り口のインパクトだけで充分楽しいのだが、ハニベ巌窟院の実力はこんなものではない。