文春オンライン

特集移動編集部

島根県の山深くにポツンと佇む“激渋レストラン”…猟師が振る舞うイノシシ料理が絶品すぎた

島根県の山深くにポツンと佇む“激渋レストラン”…猟師が振る舞うイノシシ料理が絶品すぎた

note

 農作物の食べ荒らし、人里への侵入・襲撃など、私たちの生活にさまざまな被害をもたらす野生鳥獣。日本全体での総被害額はなんと年間約160億円にのぼり、農林水産省は課題解決に向けて対策を採り続けている。そんななか活発化しているのが、有害な野生鳥獣を“ジビエ”として活用する動きだ。

島根県の山深くで味わうジビエ料理

 島根県浜田市弥栄町の山中にも、捕獲された野生鳥獣を解体・加工して提供するレストランがあるという。店名は「田舎カフェ&キッチン 陽氣な狩人」。その名の通り、陽氣な猟師の大将が、地域で獲れたイノシシ肉を最適な調理で提供してくれるのだそう。

「陽氣な狩人」入り口

 ジビエというと、肉質が硬く、生臭い印象があったが、新鮮な肉であれば違うのだろうか……これは気になる……。

ADVERTISEMENT

※本記事にはイノシシの屍体写真が含まれます。苦手な方はご注意ください

お店へと向かうまでは“過酷な道”が

 萩・石見地方を取材していた私たちは、浜田市街から中国山地に入り、お店を目指すことにした。

浜田市街から中国山地の山道へと入っていく

 2車線あった道路は、次第に1車線になり、まもなく対向車とのすれ違いも困難な山道に。蛇行しながらアップダウンの激しい道を進み続ける。

対向車が来ないことを祈りながら車を走らせる

 カーナビが示す道順に従いながらも、「本当にこんな険しい道を進んだ先にお店なんてあるのか?」と不安になり始めた頃、ようやく山道を抜けられ、開けた土地に出た。ここが弥栄町だ。人口はわずか1300人ほど、四方を山に囲まれたロケーションはまるで“村”といった景観で、聴こえてくる音は鳶の鳴き声。地方都市のロードサイドから山道に入り、その先で辿り着いた自然豊かな集落……。一連の行程から、なんだか異世界に入り込んできたような感覚を抱く。

山道を抜けた先にあるのが弥栄町だ

 そのまま道なりに進んでいくと、陽氣な狩人の看板が目に入ってきた。

看板を見つけられて一安心
右に見える道を100mほど進んだ先に陽氣な狩人がある

 車を降りてお店に向かっていると、アプローチには、地域で採れた果物や野菜、ヘビの入った謎の液体、他にもなんだかよくわからない品々が多数並べられている。これは面白い店に辿り着いてしまったぞ……。