レトロな風情が可愛すぎる「ローカルパン」
商店街を北の方へ歩いていくと、県道沿いに老舗のパン屋、あづまやを見つけた。
近年はそのパッケージがかわいいと、遠方から訪れるものも多いそう。中でもホワイトサンドに描かれたおじさんは、あづまやのマスコットキャラクター的存在で、さまざまなグッズが発売されている。
ホワイトサンドはあづまやの定番食パン、ローランド食パンの間にクリームを塗ったもの。やさしい甘さは飽きが来ず、牛乳と一緒に食べるとくちに運ぶ手が止まらない。初めて食べたのにどこか懐かしい、給食の時間を思い出す味だ。昭和28年の創業当時からずっと変わらない味とパッケージ、だからこそ愛され続けているのだろう。店頭では11月から発売された新商品、プレミアムローランド食パンと、それを使ったプレミアムサンドパンに遭遇した。ローランド食パンと材料は同じで、作り方を変えたことで耳までやわらかい特別なパンだ。
気になったのは賢そうな博士が描かれた頭脳パン。子供の頃、「あたまがよくなるパン」とキャッチーな宣伝文句に心ときめかせていたあの頭脳パンだ。頭脳パンとは一体なんだったのか? 正体は、石川県金沢市にある製粉会社、金沢製粉が作る「頭脳粉」を使って作ったパンを頭脳パンと呼んでいたのだ。
頭脳粉とは、小麦粉100g中ビタミンB1を0.17mg以上含有しているものと、パッケージにも書いてある。脳の働きに必要なエネルギー源であるブドウ糖を分解するにはビタミンB1が必要であり、そのビタミンB1を豊富に摂れば脳の働きが活発になるという仕組みだそうだ。現在でも頭脳パンはあづまやだけでなく石川県内のいくつかのパン屋さんで販売されている。頭脳パンの謎が解けてスッキリした。
「このあたりでどこかおすすめな場所ってありますか?」