理由4:「ポケモン新作出しすぎ問題」
ポケモンは定期的に新作を出しており、スピンオフやリメイクを含めるとほぼ毎年作品が出ているといっても過言ではない。完全新作だけをカウントしても、3年に一度は新作を出すようなペースで開発を続けている。
しかも2022年は1月に『Pokémon LEGENDS アルセウス』を出したのに、11月に『ポケモンS・V』を出すという状態だ。これは異様なペースであるといえる。
テレビゲームは昔に比べると規模が大きくなり続けており、それゆえ開発にもより時間がかかるようになっている。オープンワールドのようなゲームともなれば街や広いフィールドを作り込まねばならないため、開発の労力はとてつもないものになるだろう。
しかし、ポケモンはその真逆を行っているどころか1年に2作品も出しているわけだ。具体的な開発ラインがどうなっているのか部外者としては知るよしもないが、これが容易ではないことはわかるし、実際『ポケモンS・V』ではその無茶が商品の品質に出てしまっていると考えられる。
昨今のゲーム好きは、作品の発売延期が発表されたとしても「クオリティが高くなるならば納得して待つ」という姿勢を見せる。急いで作品を出したとしても、おもしろくなかったり問題が多かったら意味がないことを理解しているからだ(結局、アップデートでゲームが改善されるのを待たなければならないというのもある)。
とはいえ、天下のポケモンには年末に新作を出さなければならないなどさまざまな事情があるのだろう。それはわかっていたとしても、不具合だらけだった『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』を受け入れるのは難しいし、『ポケモンS・V』もきちんと作り込んでから発売してほしかったというのが偽らざる気持ちである。
期待に応えきれなかったオープンワールドのポケモン
こうして『ポケモンS・V』の評価がいまひとつな理由を述べたが、だからといってこのゲームが完全にクソゲーだというわけではない。
楽しい部分も確かに存在しており、新たなポケモンたちとの出会いは刺激的だし、今回は終盤のストーリーも大いに盛り上がる。登場するキャラクターもかなり魅力的で、遊べばきっと好きになる人物が見つかるだろう。
しかしながら魅力もあるがゆえに、「どうしてこうなってしまったのか」と思ってしまうのも事実である。オープンワールドになったポケモンは誰もが待ち望んだ作品だったのに、その期待には応えられない作品だったと言わざるをえないのだ。