A子さんは理系科目が得意だったが「高校は退学することになったら、高卒認定試験を取って進学して大学院まで行ってロボットの研究をしたいな」と夢を語る。
一方で、学校生活を順調に過ごしながらも「辛い境遇を打ち明けやすいから」と交流を求めてやってくるキッズもいる。高校2年生のBくんがトー横に通い始めた理由は、今年9月に自転車事故で腕を骨折したことだった。
「骨折して遊べず、暇になったんです。トー横自体はもともとニュースで知っていて、SNSで知り合った人と予定を合わせて来たのが最初でした。高校には普通に通ってますし、友達もいます。だからレポートがあったりテスト前とかは来ません、来るのは週末くらい。ただ俺は家庭のトラブルで両親の家を出ておばあちゃんの家に住んでいるので、そういった悩み話を打ち明けやすいのは学校よりトー横の友達かな」
「トー横いる?」「ホテルいきません?」
酒を飲んだら家に入れてもらえないからと、Bくんは広場で勧められても飲酒をすることはない。門限の夜11時を過ぎないように、10時には広場を後にするという。そんな“真面目”な過ごし方をしていても、怖い目にあったことは一度や二度ではないという。
「初めましてのおじさんに『稼げる仕事探してない?』と聞かれることはありますよ。あとは自分のツイッターのアイコンが女性っぽく見えるのか、知らない人から『トー横いる?』『ホテルいきません?』ってDM来たりとか。焼酎のビンを持ってフラフラやってきて女の子に一気飲みさせようとするおじさんもいて、『酔った後に触られた!』って騒ぎになったり。自分は家が厳しいから酒も極力やらないし、タバコとかの誘いも断ってます。でも衝動で家出しちゃったような性格なので、自分だけ断り続けられるのか、ちょっと自信ないですね」
トー横の“顔”がいなくなったことで始まった新たな混乱状態。それでも、被害に遭うのが力の無い若者であることは変わっていない。
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