1992年12月6日にスーパーファミコンで発売された『ファイナルファンタジーV』(以下、『FF5』)は、いまや伝説のRPGといっても過言ではないだろう。

 一口に「ファイナルファンタジー」シリーズといっても作品ごとに設定・ゲームシステム・方向性などは大きく異なる。たとえば1991年に発売された『ファイナルファンタジーIV』は、ストーリー展開を重視しており、さまざまなキャラクターが物語を盛り上げていたわけだ。

 

 では、『FF5』の魅力はなんだろうか? もちろん本作もストーリーに注力してはいるのだが、それ以上にバトルシステムに新たなおもしろさが詰め込まれていたのである。その魅力ゆえに“やりこみ”が行われ続け、現代のゲームにもその血が流れている。

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あまりにも斬新だったジョブチェンジ・アビリティシステム

「ファイナルファンタジー」シリーズは、おもしろいバトルを生み出すためにさまざまな仕掛けを用意している。最初こそターン制のコマンド選択式バトルであったが、リアルタイムに戦況が変化する「アクティブタイムバトル」を採用したり、シリーズ作品のなかには「ガンビット」と呼ばれるAIのような自動戦闘システムすら存在する。

『ファイナルファンタジーV』。画像はスクウェア・エニックス公式サイト(https://www.jp.square-enix.com/game/detail/ff5/

『FF5』の特徴は「ジョブチェンジ」システムおよび「アビリティ」システムである。キャラクターがさまざまな職業に就いて特性が変わる「ジョブ」自体は『ファイナルファンタジー』から登場していたが、『FF5』ではただ状況に応じてジョブを変えるだけでなく、組み合わせによってさまざまな可能性を作り出すことができるようになったのだ。