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〈発売から30年〉『ファイナルファンタジーV』はなぜ“歴史に残る傑作”と呼ばれるようになったのか

〈発売から30年〉『ファイナルファンタジーV』はなぜ“歴史に残る傑作”と呼ばれるようになったのか

最も評価された“革新的なポイント”は?

2022/12/06

genre : エンタメ, 娯楽

 戦略もかなり多様で、たとえば敵の物理攻撃を避けるにしてもいろいろな方法がある。召喚獣「ゴーレム」を呼び出すといったオーソドックスな方法はもちろん、敵を暗闇状態にして攻撃が当たらないようにしたり、小人状態(ステータス異常だが回避率が上がる)のキャラクターに源氏の盾をもたせて回避率を100%にしたり、はたまた忍者のアビリティ「ぶんしん」で敵の攻撃を無効化する方法もある。

 ボスのなかにはあえて弱点が設定されているものもおり、敵を一撃で倒せる特殊な攻撃が効いてしまうボスもいる。あるいは、こちらが魔法を使って宙に浮いていると必ず「重力100」という技を使って地面に下ろしてこようとするボスがいるのだが、この性質を逆手に取り、常に宙に浮いていれば完封できるなんて戦法もある。

 つまり、敵を倒すにしてもさまざまな方法が用意されており、どれを選ぶかはプレイヤー次第。『FF5』は「さまざまなジョブやアビリティを駆使して遊んでほしい」という意図が明確に伝わってくるゲームであり、それゆえに多くの人がさまざまな形で本作をやり込んだのである。ゆえに、30年経ったいまでも遊びごたえのあるRPGといえば『FF5』の名前が挙げられるのだ。

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 なお、ラストダンジョンでは「オメガ」と呼ばれるラスボスより強い存在がダンジョンを徘徊していたり、最後のほうにある宝箱から「神竜」という強いボスがいきなり出てきてプレイヤーを初見殺しの罠にハメたりと、プレイヤーを試すような仕掛けを用意しているのも『FF5』の特徴である。

『FF5』の魅力は未だに衰えていない

 現在、過去の「ファイナルファンタジー」シリーズは「ピクセルリマスター」(https://www.jp.square-enix.com/ff_pixelremaster/)というリマスター版が登場している。

ピクセルリマスター版『ファイナルファンタジーV』。ギルガメッシュも敵ながら印象深いキャラクターで、「ビッグブリッヂの死闘」もかなり印象深い。画像はSteam(https://store.steampowered.com/app/1173810/FINAL_FANTASY_V/)より

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