日本は島国である。四方八方、どこに向かってもひたすら進んでいけば、最後は海に落ちるだけだ。日本は6800以上の大小さまざまな島から構成されている。
とはいっても、島というのは大陸と比較して面積が小さいという比較対象があっての定義だから、日本国内でいえば本州はいわば大陸のようなものといっていい。本州に次いで大きいのは北海道、そして九州、四国。このあたりまでは、誰でも知っている。
そこから先は、北方領土の択捉島や国後島がランクインし、沖縄本島が第7位。佐渡島、奄美大島、対馬までがベスト10だ。で、今回やってきたのはあと一歩のところでベスト10入りを逃した島、淡路島である。
じつはめちゃめちゃでかい「淡路島」だが…
淡路島は瀬戸内海の東の端っこにある島だ。北側では明石海峡を挟んで本州の兵庫県明石市と対峙し、南西側では鳴門海峡を挟んで徳島県鳴門市と対峙する。明石・鳴門とはそれぞれ橋で結ばれていて、大阪から淡路島へはクルマに乗って1時間ちょっと。島の人口約13万人は、離島の中では一番多いという。
……と、このあたりまではありきたりの淡路島の説明なのだが、問題はここからだ。人口が多く、四国や本州ともかなり接近した場所にある瀬戸内海最大の島・淡路島。にもかかわらず、この島には鉄道がない。
関西に暮らす人なら知らぬもののいないホテルニューアワジのCMも名高い観光地。近年ではあのパソナグループが進出するなど注目度も高まっている。なのに、鉄道がないのだ。だいぶ大きな島なのに、鉄道がないと不便じゃないんですかね……。
そう思って調べてみると…
などと思って調べてみたら、半世紀以上前には淡路島にもどうやら鉄道があったらしい。その名も淡路交通鉄道線(以下淡路鉄道)。淡路交通はいまでも淡路島の路線バスなどを営んでいるが、かつては鉄道も走らせていた、というわけだ。
淡路交通の鉄道路線は半世紀ほど前、正確にいえば1966年に廃止されている。それからだいぶ歳月も流れたが、廃線跡はどうなっているのだろうか。
淡路島の廃線跡は今どうなってる?
淡路島の鉄道は、島の南部を走っていた。そもそも淡路島は大半が山地で、平野部は南部の洲本平野と三原平野くらいしかない。そこに人口の大半が集中している。鉄道が通っていたのはこの平野部だ。
洲本市の中心市街地に置かれた洲本駅をターミナルに西進、島を見事に横断し、鳴門の渦潮観光の拠点にもなっている福良までを結んでいた。人口の多い平野部を横断していたのだから、文字通りの島の大動脈だったのだろう。