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【閲覧注意】「女子留学生を屍姦したあと肉をフライパンで焼き…」パリ人肉事件・佐川一政氏の実弟が明かした“殺人鬼の正体”《幼い日の異常な思い出》

【閲覧注意】「女子留学生を屍姦したあと肉をフライパンで焼き…」パリ人肉事件・佐川一政氏の実弟が明かした“殺人鬼の正体”《幼い日の異常な思い出》

『カニバの弟』より #1

2022/12/29

genre : ニュース, 社会

 やっぱり、どんな性癖を持っていても人を殺めちゃいけない。ただ、兄貴みたいに「食べたい」という欲望を達成するためには殺すしかないのか? いや、そうではないと思う。なにも殺さなくてもいいじゃないか。それを今さら兄貴に言ったところでなにも始まらないけど。でも、殺さずに食べる方法はあったんじゃないかと、未だに思う。性的に歪んでいるのはふたりとも同じだとしても、兄貴と僕は違う。人殺しは絶対にいけない。

『まんがサガワさん』のあの絵も僕は大嫌いだ。復刊するそうだが、遺族の心境を考えると堪らない。なんであんなものをわざわざ出すのか。たぶん根本敬さんも応援してくれてたんでしょうけど。

喧嘩の翌日には「謝り状」が送られてきた


 パリ大学の修士課程まで終えた後に帰国して、どこかに就職すればいいものを、再びパリの大学に行ってしまった。それが間違いの元だった。フランスに渡ってから、兄貴の周りにはパリ大学の仲間が自然に集まってきていた。あの事件さえなければ、フランス人の友達に囲まれて楽しい人生を謳歌したに違いない。勿体ないことをしたものだ。

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 兄が起こした事件の後、しばらく経つとマスコミの執拗な取材も徐々になくなり、そのうち両親が亡くなり、今は兄弟ふたりだけになってしまった。

 兄貴を介護するようになる前までは喧嘩も良くした。何か虫の居所が悪くなると、彼は僕を責めた。原因がまったく分からないのだ。そして翌日になると、ファックスで“謝り状”を送ってくるのだった。やはり僕に対するやっかみが、終わってなかったのだ。
 
 ところが、病気になり弱い立場になると、流石に僕に対する矛を収めたようだった。母は兄に対して十二分の愛情を注いでいたのだが、兄貴がその想いを裏切るようなことをしていた。

©東京キララ社

「何でやの、おかあちゃんがこれだけいっちゃんのことを思っているのに、何で分かってくれんのよ」

 そう言って母はよく嘆いていた。僕が喘息のときに診てもらっていた心療内科の医師から「今、お兄さんの矛先はご両親に向いてるけど、万が一ご両親が亡くなったら、それがあなたに向かうから、くれぐれも注意していた方がいい」と言われたことがあった。まあ、それも兄自身が脳梗塞や糖尿病になって、さらに誤嚥性肺炎で入院した今、それどころではなくなった。

 ある日、兄貴が病室で一言「小さい頃は、弟の純ちゃんを守ってあげたかったんだ 」と僕に言った。
 

カニバの弟

カニバの弟

佐川 純

東京キララ社

2019年7月22日 発売

【閲覧注意】「女子留学生を屍姦したあと肉をフライパンで焼き…」パリ人肉事件・佐川一政氏の実弟が明かした“殺人鬼の正体”《幼い日の異常な思い出》

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