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クリスマスが近づくと、デパートなんかでクリスマスグッズが売られるが、そんな中にも蝋燭がある。色とりどりのクリスマスキャンドルだ。温度を測ったことはないが、結構熱くて気持ちいいらしい。それらの売り場には「SMプレイに最適」と表示されてはいないので念のため。
「“痛さ”の快感は猿のセンズリのごとく永遠に続くのか」
「有刺鉄線の痛さと、蝋燭の熱さではどちらの方が気持ちがいいのか?」と聞かれると答えに窮してしまう。熱さと痛さ、それぞれの良さがあるからだ。
その両方をしばらく続けて、二の腕の内側が赤くなったところで、ガブっと噛み付く。甘噛みではない。歯をぐりぐり擦りながら、皮膚が切れるギリギリのところまで噛む。大概の場合、口を二の腕から離すと血が滲み出ている。
今まで色々なアイテムで二の腕を責めてきた。あるときはキツいブレスレットを嵌めてみたり、缶詰の両側の蓋を切り落として嵌めてみた。なんとか肘の上まで嵌めたが、そこから上にも下にも動かなくなり、慌てたことがある。痩せていた頃(若い時)は簡単に腕の根元まで上がったのだが、最近は贅肉がついてしまったのだ、情けなや。
それまでやったことがない責めに成功したときは、この上なく嬉しい。“痛さ”の快感とも言えるこの本能は猿のセンズリのごとく永遠に続くのだろうか。麻薬やギャンブルに嵌まるのに似ているのだろう。まあ、病気であることは確かだ。怖い気もする。
痛い、熱い、寒い、冷たい……何でもござれ。ただ、死にたくはない。死んでしまえば一巻の終わりである。