夢のような企画を展開
『ロックマン』シリーズといえば、ボスキャラの公募が印象深いという人も多いだろう。1988年に発売された『ロックマン2 Dr.ワイリーの謎』から、日本全国の一般ユーザーからボスのデザインを募集し、審査を通過したものは実際にゲーム内に登場するという企画を実施していた。
このボスキャラ公募企画は、1996年にPlayStationで発売された『ロックマン8 メタルヒーローズ』まで続いている。関連するエピソードで有名なものは、『アイシールド21』や『ワンパンマン』で知られる漫画家の村田雄介氏が送った「ダストマン」が実際にゲームに採用されたという話だろう。
プレイヤー参加型の企画、それも製品に自分の考えたキャラクターが登場するというのはかなり斬新であった。ファミリーコンピュータの時代は一般家庭にインターネットなど存在せず、自分のアイデアを世間に披露する機会すら稀であった。夢のような企画であったのは間違いないだろう。
『ロックマン』シリーズはその後も探索要素を組み込んだりして長く続き、『ロックマンX』シリーズ、『ロックマンDASH』シリーズ、『ロックマンエグゼ』シリーズなどさまざまな展開を繰り広げていく。
『ロックマン』の直系となるシリーズ最新作は、2018年10月に発売された『ロックマン11 運命の歯車!!』である。本作は全世界で160万本の売上を記録しており、フランチャイズのなかで最も売れたタイトルとなった。
しかし、160万本という数字は日本を代表するゲームとしては厳しいのも事実。これ以降は新作の情報も特に出ておらず、残念ながら現在はあまり勢いのあるゲームとは言えなくなっている。とはいえ、それでも『ロックマン』の血は現在のゲーム業界にきちんと流れているのだ。
レトロなシリーズ作品を集めた『ロックマン クラシックス コレクション 1+2』や『ロックマンX アニバーサリー コレクション 1+2』はどちらも100万本を突破しているし、スマートフォン向けの基本プレイ無料タイトル『ロックマンX DiVE』もサービス提供が続いている。2023年には『ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション』も発売予定だ。