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 また、脅迫状については、書くのに使われたシャーピーペンの謎もある。それについて、クラーク氏がラムジー氏に聞くと、ラムジー家には1本だけ水性の新品のシャーピーペンがあったが、その製造日を調査すると、ラムジー家がボールダーに引っ越す前に製造されていたことがわかった。そのため、クラーク氏は事件に関与している人物がシャーピーペンを持ち込んだのではないかと考えている。

 脅迫状の筆跡の謎もある。

「パッツィーの筆跡に似ていると言われていた脅迫状の筆跡もパッツィーのものではありません。半年前に、バーンヒルの女孫の筆跡を得ることができたのですが、それに非常に似ているのです。女孫が脅迫状を書いたのではないかと思います」

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ジョンベネの下着から見つかったDNA。関与が疑われる男は銃で……

 つまり、クラーク氏は、事件には、ラムジー家の向かいに住んでいた7人の人物が関与していると考えている。ドラッグを売っていたというバーンヒルの息子、その息子の2人の子供たち(つまり、バーンヒルの男孫と女孫)、女孫の元夫、地下室に住んでいたメイヤー、他2人の7人だ。

 クラーク氏の調べでは、7人は合わせて40万ドル相当の借金を抱えていたという。FBIも、この事件を「金銭を目的とした個人的な殺人」とみなしているという。

 ちなみに、クラーク氏が重要参考人だと考える3人のうち、男孫は、クラーク氏が調査状況を報告したタブロイド誌『ナショナル・エンクワイアラー』にメイヤーの写真と記事が掲載された直後、自殺をした。

 DNA鑑定の結果、“ジョンベネの下着から見つかったDNAが、ジョーのDNAか、彼の親族のDNAである可能性は排除できない”とする鑑定結果が出たことが自殺の背後にあるとクラーク氏は考えている。

「男孫は自分のDNAが鑑定されることを恐れたのではないかと思います。男孫は死ぬ前、妻に電話で『愛している』と言ったそうです。心配になった妻は隣人に彼の様子を見に行ってもらいました。隣人が駆けつけると、男孫はライフルを持って通りに出て、何軒かの家の前を歩いた後、頭を撃って自殺したのです。12人くらいの隣人がその様子を目撃しました。血飛沫は5メートル先まで飛び散ったそうです。

 みな、なぜ彼が自殺したのか分からなかった。しかし、私はわかっていました。『ナショナル・エンクワイアラー』の第一面に地下室に住んでいたメイヤーの写真が大きく載り、祖父のDNAの結果も出たことから、男孫は自分が調査されるのは時間の問題だと考えたのではないかと思います」