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子宮頸がんワクチンで大きな動きがあった2022年。「知っておいてほしいワクチンの今」を、取材した加藤さゆり記者が解説する。

 

HPVワクチンは2013年度に定期接種になりましたが、体の痛みなどを訴える人が相次いだため、すぐに停止となりました。その後、ほぼ0%だった接種率は、安全性に特段の疑いが認められないという研究結果を受けて、2019年ごろから徐々に上昇。

2022年4月に積極的な接種推奨が再開し、7月までの間で、10政令市で16.6%という接種率になった。

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しかし海外に比べると、接種率は低いままだ。接種後に“多様な症状”として、体がだるい、めまい、過呼吸、ひどい頭痛、視野の異常など24症状が、慢性的に起こると報告されたことが理由とみられる。

 

ただ、厚労省や名古屋市の調査では、ワクチン成分との関連性は認められないという結果となった。記者が取材した医師からも、思春期に打つワクチンなので、針の刺激で発症した可能性が高いのでは、という指摘があった。

 

不安を軽減するため、国はHPVワクチン接種後の症状を診療してくれる病院を選定している。各都道府県に1つ以上、全国88カ所の協力医療機関を設置している。

 

HPVはどこにでもあるありふれたウイルスで、女性からの感染も男性からの感染も起こる。現在、男性のワクチン接種も検討され始めていて、女性を守ることはもちろん、HPVへの感染が一因とされる咽頭がん・肛門がんなどの予防にもなります。世界では、男子児童の接種がスタンダードになりつつある。

今回の取材を通して、HPVに感染する危険から若い男女を「みんなで守る」という意識が必要だと感じた。

(取材:加藤さゆり)

 

(関西テレビ「報道ランナー」2022年12月21日放送)