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 社外セキュリティにもさまざまな製品があるが、まず欠かせないのが「センサーに反応して警報を発する機能」である。車体に物理的な衝撃が加えられたり、ドアやボンネットなどの開閉部がこじ開けられたりした場合に、大音量でサイレンを鳴らし、携帯用のリモコンに通知する。 

ドアが開いたことをリモコンで通知する

「高機能な製品では、音や振動のほかにも、車体の傾きが1度変わっただけでアラームが作動します。そのため、エンジンをかけないまま積載車に載せられてしまうケースや、タイヤを盗むためジャッキアップされるケースにも対応できるんですね」(攪上氏)

車内の覗き見を通知する製品も

 さらに、不正なロック解除操作に反応する製品であれば、コードグラバーやリレーアタック、CANインベーダーといった手法に対しても有効だ。加えて、CANインベーダーの場合には、バンパーやボンネットを外す際の衝撃でセンサーが反応する可能性も高い。

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窃盗犯の天敵

 窃盗犯は何より目撃者を恐れるため、近所中に響き渡る警報は大きな効果を発揮する。実際に、攪上氏のショップで社外セキュリティを取り付けた車両が盗難未遂に遭った数例では、この警報が鳴った段階で犯人は逃亡しているという。

 とはいえ、万が一ドアが開かれた場合、警報に慌てた犯人がそのまま車を持ち去ろうとする可能性もゼロではない。そうした際にエンジン始動を防いでくれるのが、純正とは異なる回路のイモビライザーシステムである。

「社外セキュリティのイモビライザーは、車両側の制御とは独立して、エンジンの始動操作を監視する機能です。たとえばCANインベーダーなどの方法により、純正のイモビライザーが無効化されたとしても、社外セキュリティを解除しない限りエンジンはかかりません」(攪上氏)

 このように、社外セキュリティは「警報機能」と「独自のイモビライザー」によってさまざまな手口の盗難を阻止してくれる。さらに、機能を解除されるリスクがきわめて低いこともポイントだ。

「純正のセキュリティも高度化していますが、デジタルなシステムは一度解析されてしまうと、どれも同じように解除できてしまいます。一方、社外セキュリティはアナログな方法で解除しなければいけません。セキュリティ本体やセンサーは、車両ごとに異なる場所、異なる配線状態で取り付けられていますから、設置した本人でも解除に数時間はかかります」(攪上氏)

 つまり高機能な社外セキュリティを搭載した車を盗むには、「警報が鳴るなか、何時間もかけて作業ができる環境」でないと不可能なのである。