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「手軽に安く」で万全の対策は可能なのか

 盗難対策としてオールラウンドな社外セキュリティだが、ネックとなるのは価格面だろう。一般に、高機能な製品を取り付けてもらうには、30万円~40万円ほどの費用が必要だ。加えて、十分な知識や技術をもつショップを探すことにも手間がかかる。

「カーセキュリティを扱うカーショップでも、専門知識にはバラツキがあり、かなり古い製品や、簡易的な機能しかない製品をおすすめしていることがあります。

 また、高機能な製品を選んでも、取り付け時の設定をしっかりと詰めなければ、センサーが正しく機能しない可能性があり、誤報などのリスクが残ります。

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 さらに取り付けたあとも、定期的に点検してくれるショップでないと、『いつのまにかバックアップの電池が切れていた』という事態に陥りかねないんですね」(攪上氏)

©iStock.com

 しかしやはり、盗難対策に迷わず30万円~40万円を出せるオーナーは相当に限られるだろう。予算的に難しい場合には、やはり複数の対策をなるべく多く取り入れていくしかない。

「とにかく窃盗犯に『この車はマズイのではないか』と思わせることが大切です。たとえばハンドルロックを2つ取り付け、タイヤロックは4輪とも違う製品を取り付けるとか……『この車は徹底的にマークしているぞ』という執念を押し出していくほかないと思います。

 ただ、それでも完全に安心はできないですし、乗るたびに解除の手間がかかるのもネックですね」(攪上氏)

 複数の対策により抑止力を高めることは、各都道府県警などでも推奨されている。ハンドルロックやタイヤロック、隠しスイッチといった方法に加え、駐車場に監視カメラやセンサーライトを設置するなど、さまざまな角度から対策を講じることで、盗難に遭う確率を下げることはできるだろう。

 しかし、これらの対策をすべて取り入れたとしても、周到な窃盗グループによって攻略されてしまう可能性は残る。車内への侵入とエンジンの始動を防げなければ、根本的なリスクは解消できないのだ。