現在の活動事情「先月は20枚は描いたかな」
――現在、投稿の頻度はどんな感じでしょう?
三峯 波がすごく激しいんですよ。先月はまだ描けたほうだけど、今月はほんとに描けていなくて。それでも先月は20枚は描いたかな。今月は、5、6枚だけど。
――「週刊現代」の川柳コーナーなど、イラスト以外でも投稿の新規開拓をされているそうですね。
三峯 「週刊現代」の川柳コーナーは終わっちゃったんです。あれは入院しているときに、休憩室で誰かが置いていった「週刊現代」をパラパラめくっていて。最初はグラビアを見てニヤニヤしてたんだけど、川柳コーナーを見つけて「あれ、こんなのあるんだ」と。それで退院したら、イラスト以外の方向でも投稿できたらいいなと考えて詠むようになったんです。
たまーに、詠んではネットにあげてますけど。あくまで我流でやっているので、ちゃんとした出来栄えじゃなくて恥ずかしいかぎりです。あとはイラストの余白に川柳っぽいのを書いたりもしてます。もうちょっとこなれて余裕ができたら、サラリーマン川柳なんかに応募してみようかなと。
――30年にわたって投稿してきましたが、出版業界の衰退などは感じますか。
三峯 昔は1号か2号でつぶれる雑誌ばかりだったけど、最近はそんなにつぶれないですよね。ほんと、投稿したイラストが載って、次の号にも投稿しようとしたら休刊、廃刊、誌名変更なんてざらにありましたから。
たしかに波があるし、いまは下がっていますけど、また良くなるとたくさんなにかしら出てくる。その繰り返しですよ。べつに雑誌がダメなら、違った形で盛り上がるだけ。いまだったら、紙じゃなくて配信に移っていて、そっちが主流になっていきそうですけど。
「とうとう俺も、そっち側に回ったんだな」
――pixivあたりにアップしようなどとは?
三峯 友達には勧められましたけど、あんまりねぇ。どうしても出したら出したっきりのイメージが強くて。ネットでやるなら、コメントや反応がしっかりと感じられるところがいいなって思いますけど。そういうところってないですから。
それもあって「自分が残るにはどうすりゃいいんだろう」「どうやって生き残るかな」みたいなこともチラつくようにもなって、川柳とか違うジャンルに挑んでる部分もあるし。
いずれにせよ、死ぬまで投稿するとは思っていますけどね。
まぁ、30年やってきてよかったですよ。ファンの方から橋の下に捨てられていた美少女コミック誌で俺のイラストを知ったと聞かされたときは、なんともいえない気持ちになりましたよ。「とうとう俺も、そっち側に回ったんだな」って。俺も捨てられて雨でグシャグシャになった「漫画エロトピア」を目にして、いろいろと覚醒しましたから。
(写真撮影=杉山秀樹/文藝春秋)
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