2022年12月、東京・渋谷区のブランド店の強盗事件で逮捕された19歳の男3人のうち、1人が「お金に困りSNSの闇サイトに応募して仲間を誘った」と供述していることが分かっています。
詐欺や悪質商法に詳しい、ジャーナリストの多田文明氏はこう読み解きます。
ジャーナリスト 多田文明 氏:
情報を共有して犯行に及んでいるということから、まずこれは「組織的な犯行」だということが分かります。組織的犯罪として、“家にいることが分かっていて入る”と。普通だったら誰もいない方が金品を取るだけなら効率がいい。しかも一軒家って1000万とったらそれだけでいいじゃないかと思うんですが、組織的犯行となると繰り返し、リスクがある方へと向かわせていくということなんです。
甘い言葉で勧誘…「危険はない」「捕まった人はいない」「稼げる」
供述などから、一連の犯行に関わっている可能性がより高くなってきた「闇バイト」。「闇バイト」とは、犯罪に抵触する行為で報酬を得るアルバイトのことです。
多田氏によると、違法薬物を運搬して金をもらう「運び」や強盗などを行う「タタキ」などがあり、最近は「タタキ」の実行犯として若者が狙われているといいます。
コロナなどの影響で仕事がなくなりお金に困っていて、知識もなく利用しやすい存在だからというのです。
犯罪組織は「1日10万円」「即金」「高収入」など、お金が困っている人が検索しやすいワードを使い、SNSでバイト募集。やりとりが始まると「バイトの審査のために」と、本人確認できる証明書などを送るように要求してくるといいます。
審査が終わると、やりとりは「テレグラム」というチャットアプリに移行します。
このアプリは、送信してから時間がたっても、送信側がメッセージを消せば受信側のメッセージも消えるため、ほかのチャットアプリと比べても履歴が残りにくいのが特徴です。
ここで初めて、闇バイトの内容が「強盗」だと説明されます。
「危険はない」「捕まった人はいない」「稼げる」といった甘い言葉で誘惑し、バイトが決定すると、犯行日時・集合場所・用意するものを伝えてくるといいます。