「オレオレ詐欺などの特殊詐欺の“出し子”や“受け子” が闇サイトを通じて集められてきたように、今回の一連の強盗・窃盗事件でもSNSを利用して実行役が集められていました。情報屋から“資産家リスト”を入手した指示役が、秘匿性の高い通信アプリ『テレグラム』などを使って彼らにターゲットと日時を連絡。その都度、メンバーが組まれ、実行に移していたようです」(社会部記者)
昨年末から今月にかけて関東各地で連続して起きた強盗・窃盗事件。クローズアップされるようになったのは、東京都狛江市の住宅で今月19日、大塩衣与(きぬよ)さん(90)が殺害された強盗殺人事件がきっかけだった。
事件は、千葉県大網白里市のリサイクルショップで強盗を働いたとして逮捕された自衛官(23)が所持していたスマホに、「大塩さん宅襲撃」を示唆するメモが残されていたことから明るみに出た。こうして少しずつそれぞれの事件の「つながり」が判明してきており、警察はその「全容」を解明するために懸命な捜査を続けている――。
別件で逮捕された容疑者2人が大塩さん事件にも関与か
今月12日にリサイクルショップを襲撃したとして自衛官が警察に逮捕されたのは13日のことだった。前出の社会部記者が解説する。
「12日午後7時半ごろ、3人組のうち2人の男がお店を襲撃する事件が起きました。『金を出せ』といって店主(76)の顔や身体を殴打。3分ほど店内を物色するも金目のものを見つけることができず、何も取らずに逃走しました。翌日、自衛官の身柄が確保されています。
千葉県警が自衛官のスマホを解析すると、一定時間を過ぎると送受信したメッセージが消去される通信アプリ「テレグラム」を使って、指示役から“大塩さん宅に強盗に入る”といった趣旨の連絡が送られていたことがわかったのです」
その後、1月21日に狛江市の事件に進展が見られた。昨年12月に東京都中野区で起きた強盗傷害事件で逮捕された男が関与していた可能性が浮上したのだ。