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まるでコロナ禍? 10秒で人を死に至らしめる雲が発生し…家から出られなくなるディストピア・スリラー 「ピンク・クラウド」を採点!

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〈あらすじ〉

 ジョヴァナ(ヘナタ・ジ・レリス)は出逢ったばかりのヤーゴ(エドゥアルド・メンドンサ)と、高層アパートの一室で一夜を共にする。翌朝、正体不明のピンク色の雲が発生し、緊急警報が鳴り響く。その雲はわずか10秒で人を死に至らしめるため、政府はロックダウンの措置を取る。終わりが見えない監禁生活の中で、一人で暮らす親友や友人の家から帰れなくなった妹、そして認知症を患うヤーゴの父親たちの状況が、少しずつ悪い方向へ傾いていく。

 やがて、ジョヴァナは男児・リノを出産。リノは閉ざされた世界で何不自由なく成長するが、外の世界を愛するジョヴァナは、仮想現実の世界に逃げ込んでいき……。

〈解説〉

 パンデミック前の2019年に撮影されたディストピア・スリラー。謎のピンク色の雲により監禁生活を強いられた人々の、感情の変化を描く。脚本も手掛けたイウリ・ジェルバーゼ監督の長編デビュー作。103分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★☆☆ピンク色の雲という発想は面白い。コロナ禍とかぶった室内劇なのが、いいような悪いような。もう一押し欲しかった。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★☆☆パンデミック前の構想らしいが、想定内の展開が羅列されるのが弱い。中央を強引に突破していく想像力が欲しかった。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★☆☆☆☆生き延びるための様々な要素が守られ、所定の場所に十数年引きこもる果ての憂鬱か? 突っ込みどころが満載なだけ。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★☆☆プログレ的イメージの思考実験。コロナ禍前の撮影らしいが、今やフィクションと現実の追いかけっこだなと痛感する。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★★☆千里眼的なピンクの雲。映像の持つカタルシス、パンデミック寓話の描写に映画としての骨格・肉付けの強さを感じる。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
© 2020 Prana Filmes

INFORMATION

『ピンク・クラウド』(ブラジル)
1月27日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
https://senlisfilms.jp/pinkcloud/

まるでコロナ禍? 10秒で人を死に至らしめる雲が発生し…家から出られなくなるディストピア・スリラー 「ピンク・クラウド」を採点!

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