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――誰もが知る県民アイスなわけですが、そこからWebCMにチャレンジしたのはなぜだったんでしょう?

阿部 ありがたいことに県内での知名度はあるのですが、一歩県外に出るともも太郎といってアイスを思い浮かべる方はほとんどいません。これからの事業拡大のためには全国にマーケットを広げていくことが重要だと考え、昨年の4月頃からWebマーケティングに注力していこうという方針になりました。

 ただこれまでWebでの販促活動にはほとんど取り組んでこなかったので、外部の会社さんからアドバイスをいただいて進める中で、やはり今の時代はオンライン上での話題作りとして“バズる動画”が重要なんだということを教えていただいて。セカイ監督もその会社さんからご紹介いただきました。

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県民に親しまれるセイヒョーのアイス

内容もキャスティングもクリエイターにすべてお任せ

――セカイ監督とはどれぐらい打ち合わせをされましたか?

阿部 特に密に打ち合わせはしていないんですよ。第1弾であれば、当社からお願いしたのは、「『もも太郎」の知名度をアップさせたいので動画を作ってください」ということだけです。ストーリー展開や内容についての希望とかは一切ない状態でお願いしていて、CMの撮影にも立ち会っていないんです。

――えっ。では本当に、動画を見て初めて詳細な内容を知ったということですか。

阿部 はい、もう完全にお任せしていますね。独自の世界を持たれているクリエイターさんの場合、クライアントからあれこれと指示してしまうと、こぢんまりとまとまってしまったり、面白くないものになっちゃったりするのかなと……。クリエイターさんのいいところが削れてしまうともったいないので。

――すごい、おおらかな……。第2弾も完全におまかせですか。

阿部 はい。同じ路線を継続してほしいとかそういう要望も特にしていなくて、第1弾の反響が良かったので「NIIGATA ICE SELECTION」を題材に2作目をお願いしますとだけお伝えしました。ヒロインを同じ女性が演じることも、セカイ監督から提案されて知りました。

©セイヒョー

――もしかして、俳優さんにお会いしたことも……?

阿部 社内の誰もないですね。キャスティングするのもセカイ監督ですし、この俳優さんを使いますという確認はあるんですけど、そこに何か注文をつけたこともありません。

――今まで打ち合わせでセカイ監督から提案されたものに対して、セイヒョーさん側がストップをかけたり、注文したりしたことはないんですか。

阿部 そうですね、ないと思います。いま第3弾の企画が進んでいるんですが、2パターンのテイストのうちどちらがいいですかと聞かれたので、その選択をしたぐらいです。