――たしかに、ストーリーは少女漫画でよくあるお決まりの展開に沿っています。ただだからこそキャストの年齢にギャップが……。
阿部 おじいちゃんとおばあちゃんが演じていることが目に留まるための引っ掛かりにはなっているんですけど、想定していたような変な違和感はなくて。映像が美しかったからでしょうか……。ただ、これをインターネットで公開したところで話題になるのかとか、再生数が伸びるのかっていう点については、まったくわかりませんでした。
――ということは、TikTokでバズったのは予想外だった?
阿部 当時TikTokのアカウントは開設したばかりで、社内にも詳しい人間はいなかったので、どれぐらい伸びれば“バズった”と言えるのかすらもわからない状態だったんです。
公開してから10日ぐらいで100万回再生されたのですが、それがすごいことなのかも全然わからなくて、バズっている自覚は当初なかったですね。メディアの方から取材のオファーをたくさんいただいたところで、ようやく効果を実感しました。これがバズるってことなのか、と。
「何がそんなにウケたんだろう?(笑)」
――秋に公開された第2弾はその第1弾を大きく上回っています。TikTokの再生は270万回以上、Twitterでは1100万回以上も再生。大バズりですよね。
阿部 そもそも当社でWebCMを打つのは第1弾が初めてだったので、それがあれだけ話題になった時点でも驚きだったんです。でも同じくらい話題になったらいいねという気持ちで作った第2弾がさらに上回ってきたので……。何がそんなにウケたんだろうと、まだちょっと困惑しています(笑)。
――第2弾は前作に比べてコメディ色が強くなった分、よりシュールに感じました。企画書の段階ではどういうキャッチコピーだったんですか?
阿部 第2弾では「NIIGATA ICE SELECTION」という新潟の素材を生かした高級路線のアイスの詰め合わせ商品を題材にしていただいたんですが、セカイ監督は高級感を出すために“学園内の格差”をテーマにしようと思いついたそうです。
――そういえば、ストーリー展開は『花より男子』みたいな感じですよね。学内格差は学園モノのテッパン設定ですが、そこに高級感を見出したと。
阿部 私も最初に動画を見たとき、「つくしと道明寺そのまんまだ!」と思いました(笑)。実際にセカイ監督も『花より男子』や『斉木楠雄のψ難』を参考にされたそうです。