積極的にセカンドオピニオンを勧める場合も
亀田 以前は、主治医を決めたら、途中で医者を替えたり、他の医者に相談したりという概念がほとんどありませんでした。もちろん医療者側はその時々の最善の治療を行ってきたつもりですが、その治療法が果たして自分に合っているのかどうかを患者さま側は判断できなかったし、ほかの治療法を選択する手段も方法もなかった。
そういう中で、主治医の治療法や技術がいいか悪いかではなく、「治療にいろいろな選択肢がある」ということを知る手段として、セカンドオピニオンが広がってきたのは、とてもよいことだと思っています。
岩瀬 「セカンドオピニオン」という言葉は知っていても、実際に受けたことのある患者さんは少ないという報告もあります。医者に質問したり、ほかの医者に意見を聞いたり、という行為が、「医師に対する背信」のように感じてしまう風潮は、患者側には今もあると思うのですが、医療者側からするとどうですか?
亀田 今はそう考えるドクターは減っていると思いますよ。逆に若いドクターだと、「ほかの医師の意見を聞いてきて、どうだったか教えてください」と求めるケースも増えています。
岩瀬 そうなんですね。では、「セカンドオピニオンを受けたいので、資料をください」と、患者側からもっと気軽に相談してもいいということですね。
亀田 そうですね。むしろ、亀田総合病院では積極的にセカンドオピニオンを勧める場合もあります。
岩瀬 どのような場合ですか?
亀田 たとえば、自信を持っておすすめした治療法に患者さまが疑問を持たれた場合などですね。他病院でセカンドオピニオンを受けていただいて、同じ治療法を勧められれば、安心して治療を継続してもらえますし、違う治療法を勧められたとしたら、選択肢が広がり、よりよい治療法を一緒に考えることができます。患者さまにとって、いろいろな情報の中から自分で選択できるというのはとても大事だと思います。