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里見さんのタイトル戦の日程だけは調べておいて…

 2月某日、同じく里見と研究会をともにしてきた谷川浩司十七世名人にもお話をうかがった。

――研究会についてお聞かせください。

谷川 菅井さんに、「里見さんと一緒に研究会をお願いできませんか」と頼まれたのがきっかけです。今はコロナもあって休んでいますが。ルールは持ち時間15分の切れたら1分将棋か、20分の30秒将棋のどちらかで一日総当り3局指します。朝9時半に集合して10時に開始して、終わるのはだいたい18時くらいです。

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――8時間近くみっちりやるのですね。

谷川 ええ、3人とも将棋に一所懸命で真剣に指しています。

――対局の前後でも指したがっていたそうです。

谷川 ええ、東京で対局の前日でも翌日でも、その日の内に行けます、帰れますから大丈夫です、っていうでびっくりしました(笑)。だから里見さんのタイトル戦の日程だけはあらかじめ調べておいて、その前後だけは入れないようにしていました(笑)。

――里見さんは研究会ではどんな将棋を指していましたか?

谷川 最初の頃は中飛車ばかりで、最初は私が気を使って里見さんには色々な戦法をやるようにしていましたが、

 1年経った頃からか色々な戦法を指すようになりました。公式戦でも四間飛車とか、中飛車以外でも結果を残すようになりましたね。

里見さんと藤井さんは似ているんですよ

――戦法の幅が広がったのは谷川さんのおかげだ、と畠山さんが断言していましたが。

谷川 いえいえ(笑)。そんなことはありません。里見さんの努力のたまものです。

――編入試験ついてはいかがですか。

谷川 編入試験の資格を得た後、宣言する前に研究会がありました。後押しするようなことは言った覚えがありますが、里見さんは特に何も言いいませんでした。奨励会を退会して、一旦気持ちに区切りをつけた後なので、決断するまで時間がかかったのでしょうか。

 結果は残念でしたが、棋士は誰でも好不調の波があります。たまたま里見さんの調子が良くなく、しかも白玲戦七番勝負などで忙しい時に試験でした。逆に対戦相手は調子が良いときに対戦していた棋士が多かったです。結果だけで論評されるのはかわいそうです。

――今後についてエールをお願いします。

谷川 (しばらく考えた後)里見さんは今まで通り、ですね。里見さんと藤井聡太さんは似ているんですよ。2人とも、どれだけ勝っているとか、タイトルをいくつ持っているとかまったくに気にしていない。強くなりたい、強い相手と戦いたい、それだけなんです。その将棋への姿勢を貫いてほしい。女流棋士の数も増えて里見さんにあこがれる女性も増えました。その方々の目標となるように、頑張っていただきたいです。

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