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六本木の高級クラブ豪遊をすっぱ抜かれた過去

 2月8日夜、岸田首相は東京・四谷の料理屋で麻生、茂木両氏と3時間あまり会食した。首相が植田総裁案で腹を決めたのは1月の終わりだ。「総裁が学者でも副総裁や理事が支えればいい」と割り切った。麻生氏や茂木氏もこの人事が首相の専権事項であることはよく理解している。2人とも「首相が決断すれば、協力するのは当然だ」と考えていた。

 今後の一挙手一投足に注目が集まる植田氏だが、その人柄に触れると必ず出てくるのは女性を巡る話題である。日銀審議委員だった2000年、「ゼロ金利政策」解除が焦点となっていたさなかに、六本木の高級クラブでホステス同伴の豪遊をしていたことが「週刊ポスト」に報じられた。〈日銀最高幹部が連夜の六本木クラブ「同伴豪遊」!〉(2000年6月9日号)と題された記事によれば、植田氏は日銀本店から黒塗りの公用車で六本木に向かい、20代前半とみられるホステスと1人1万5000円ほどする高級寿司店で食事を堪能。その後、ホステスが勤めるクラブに同伴出勤したというのだ。しかも、その日だけでなく、複数回にわたって豪遊していたことが明らかにされた。

若き日の植田氏 ©時事通信社

「理論には誠実だが、女性にはそうでもない」

 植田氏は、秀才でイケメン、やさしくて気配りもある。「和んで語り合うととても楽しい。女性がひかれるのはよく分かる」と語る学者仲間もいる。かつては、「経済学者でいちばんのモテ男」と冷やかされることもあった。さらに、「婚約していた人とは別の女性と挙式したそうで、同世代の研究者の間ではかなりの話題になった」と語る後輩もいるのだ。大学では相当目立つ存在だったのだろう。植田氏とそりが合わない元日銀幹部は「理論には誠実だが、女性にはそうでもない」と皮肉ることもあった。

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 植田氏は、若手研究者だった30代の頃、株式投資も手がけていた。バブル期にはワラント債(新株引受権付社債)の関連商品を3000万円購入したことがあるというから、本格的な投資だ。1カ月で300万円に下落し真っ青になったが、1年でまた3000万円に戻ったので事なきを得たらしい。

 こうした性格が日銀総裁として吉と出るのか、凶と出るのか。首相や市場の期待が空回りしないことを祈るばかりだ。