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熱湯コマーシャルは、本当にアツアツのお湯でしたか?

――その後、『スーパーJOCKEY』にも出演されました。熱湯コマーシャルが話題でしたね。

矢部 18か19歳の頃です。今思えば1年もやらせて頂いたんですね……。番組のおかげで知名度も上がって、CMも決まったし、芸能界では目立つって大切だなって思いました。やっぱり熱湯コマーシャルって強烈じゃないですか。私も“熱湯ギャルズ”と呼ばれて、たくさん熱湯に入りました。週1回の放送で、年間で10回くらい入ったかな。他にもダチョウ俱楽部さんとコントやったり。

――改めて熱湯コマーシャルのルールを教えて下さい。

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矢部 ルーレットを回して当たった人が、何か宣伝したいことがあれば、熱湯風呂に入っている時間だけ宣伝できるんです。自分の宣伝もあれば、他の方の宣伝のために代わりに入ることもあって。本番中に水着に着替えて、熱湯に入るんです。

――失礼ですが……熱湯は本当に熱いのでしょうか……?

矢部 本当に熱いですよ! 熱湯の横にクラッシュの氷が置いてあるんですけど、それをこっそり入れようとすると、生放送中なのに、「ふざけんな! 矢部!」ってスタッフが襲い掛かってきそうになるので、「わっ、怖い! このスタッフ」って。バラエティだからうまくやればいいじゃんって思ったんですけど、ぬるくしたら本当に怒るので、低温やけどするほどの熱さを我慢していました。

――何度くらいでしたか?

矢部 51、2度くらいじゃないですか。温度計でスタッフが測ってたので。しかも、自分の宣伝で入るならまだしも、他の人の宣伝で熱湯に入るときとか本当に嫌で。すぐ出ようとしたら、タカさん(ガダルカナル・タカ)が体を押し込んできて、しゃもじで熱いお湯を寄せてくるんですよ。もっと我慢しろ! って。ぬるいんだったら芝居もしますけど、本当に熱いから。

撮影 山元茂樹/文藝春秋 

――ルーレットにも、よく当たってましたね。

矢部 だいたいあれね、インチキのルーレットなんで、私によく当たるんですよ。また、私だって。ちょうど、私がいっぱいCMとかメディアに出ていた時期だから、そりゃあ番組としては、熱湯風呂に入って欲しいですよね。脱がせて、水着にさせたいじゃないですか。わかってましたよ。でも本当に嫌で、ずっと事務所に辞めたい、辞めたいって言ってて、1年くらいで辞めました。

 でも、今でも皆さんの印象に残っているから、今となってはありがたいなって思います。

ナマ着替えであやうく……飯島直子さんのバスタオルに助けて頂きました

――『スーパーJOCKEY』の熱湯コマーシャルでは、熱湯に入る前のナマ着替えもドキドキしました。

矢部 着替えになったら、天井から電動で吊られた、カーテンで囲んであるような簡易の脱衣室がステージに出てくるんです。着替えの時間も60秒とか50秒だったのかな? 急いで洋服から水着に着替えますが、残り30秒を切るとBGMが流れて、周りから手拍子が始まってあおられるんですよ。

――制限時間内に着替えが間に合わなかったことはありましたか?

矢部 ありました、ありました! 危なかったらバスタオルが投げ込まれるんですけど、飯島直子さんとかバスタオルを投げてくれて、それで隠すみたいな。ありましたね。

――当時は、日曜日の昼の1時くらいからの生放送でしたが、今では考えられないような内容です。

矢部 コンプライアンスも何もなかった時代ですから。面白かったですけど。

 度胸はつきましたよ。中々ない体験をさせてもらったし。バラエティも、こういう発言、動きをすると喜ばれるだんとか、美味しいんだなって。色々勉強させて頂いたなと思います。