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 達也は本当に寝ていました。撮影現場で、しかもカメラが回っているというのに……。精も根も尽き果てるほど、彼はエネルギーを出し切ったのでしょう。彼を抱く早紀の目が潤んでいます。

「彼にエッチの途中で『今までつらかったんでしょ』って訊いたのね。そしたら『うん』って言ってた」

一流大学を出たけれど

 達也は入試や就職に向けて多くの本を読み、進学塾にも通い、知識を身につけてきました。その努力が実って一流大学から憧れの大企業にも就職できたわけです。そういった成功体験の延長線上にセックスもとらえ、ハウツー本やマニュアルに載っている知識を頭に詰め込んできたのかもしれません。

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©getty

 セックスが上手くなろうと思えば、努力や義務になります。そんなセックスが本当に楽しいでしょうか。自分が楽しくなければ、結局のところ相手も楽しくありません。

 テクニック重視は、どうしても自分対自分になりがちです。それは頭の中にあるマニュアルとの対話なのだから。男が冷めていて、なんで女が欲情するでしょう。テクニックを学ぼうとすると、相手との一体感や至福感といった、かけがえのないものを取り逃がしてしまいます。

 撮影後、達也と連絡は取っていませんが、もしもあのまま結婚していたとしたら、どんな生活を送っているんだろうと思うことはありました。温もりのあるセックスは充実した結婚生活に欠かせないファクターですから。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。