〈あらすじ〉
1980年、イギリスの海辺の町マーゲイト。地元の人たちから愛される映画館で働くヒラリー(オリヴィア・コールマン)は、人との深い関わりを避け、つましく静かに暮らしていた。
ある日、黒人の青年スティーヴン(マイケル・ウォード)が、映画館の新スタッフとして加入。厳しい不況で大学進学の夢を諦めざるを得なかったにもかかわらず明るく好奇心旺盛な彼に、ヒラリーは次第に心を開いていく。そして、それぞれに社会からの疎外感に苦しむ2人は、いつしか深く愛し合うように。しかし、不況が深刻化し、人々の不満が人種差別に向かったことで、ある悲劇が起きてしまう。
〈解説〉
年齢差と人種の違いを超えた絆を描くヒューマンドラマ。『1917 命をかけた伝令』に続くサム・メンデス監督・脚本作。115分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★★☆何と言っても、アール・デコ風味の映画館自体が素敵。外観も内装も。苦手に思っていたO・コールマン、初めて好感。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★☆☆O・コールマンと張り合って譲らないM・ウォードの芝居に驚く。ただ、おかずの皿数を増やしすぎて、焦点がぼやけた。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆怒れる中年女に共感し、黒人青年の清廉さに救われた。弱者が弱者を裁く恐怖があっての、穏やかな想いの奥行に浸れた。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆郷愁的な映画愛より人間群像の旨味が濃い。サッチャー時代の歪みを反映した英国絵巻の魅力も。M・ウォードが抜群。
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洞口依子(女優)
★★★★☆脚本は接着の酷い模型の様だが、毎秒24コマに動く光に包まれた俳優陣を映すディーキンスの撮影は秀逸。音楽も好い。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
INFORMATION
『エンパイア・オブ・ライト』(英、米)
2月23日(木・祝)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開
https://www.searchlightpictures.jp/movies/empireoflight